様々なロックバンドやアーティスト、シンガーソングライターが好きで
でも、その波には上下がある、なんてことはよくあります。
が
それでも「自分はこの方の音楽にどんな時でも、ずっと縋って生きていくんだ!」
というアーティストが自分には4つあります。
(そんなの聞いてない?まあそう言わずに)
追々ブログに徒然書く方々ですが
GRAPEVINE
フジファブリック
syrup16g
そして今日話すこのかた
中村一義
であります。
97年組(くるり、スーパーカー、NUMBER GIRL、そして中村さん)だったり
3よし(斉藤和義、山崎まさよし、そして一義さん)
とか括られることが多いですが
天才シンガーソングライター
サウンド面、歌詞の面で本当に大好きで敬愛しています。
(筆者は一人カラオケ、俗に言うヒトカラが好きですが彼のヴォーカリゼイションを真似て歌うこと多いです。下手ですが)
・・・といいつつ実はリアルタイムで追いかけてたわけではなく
2012年に出た『対音楽』という素ん晴らしいアルバムから追いかけているにわかですがね・・・
ライブもベボベの皆さんと演ったものしか行けてないし・・・
魂の本(インタビュー形式の自伝)を読んだくらいだし・・・
・・・いえいえ、好きなものに、にわかも何もあるもんですか!
逸れた、戻す
んで、んで
そんな愛してやまない御方がこの度、10枚目のアルバムをリリースされました。
『十』
読み方はじゅう
じゆう
・・・・プラスかもしれない
傾けると×、掛ける?
いえ、ペケですかね?
と、この時点で大和言葉のマジックを見せつけるわけで。
そんなに知識はありませんが1曲ずつ簡素に感想
【レビュー的なもの】
ⅰ叶しみの道
中村さんのボーカルは超ハイトーンでファルセットも満載ですが
再生ボタンを押したらえんらいソウルフルなお声がwwという面くらいから。
事前に喉の病気をされたことも知っており、というかお若くはないので(リメイクベストも少し落ち着いたキーになってたし)
キーも高いものは無いのかなと思ってましたが、
でもそのうち中村節が満載で嬉しくなりました。(特にギターソロの音の懐かしさといったら)
でもその中に変拍子や、クライマックスで性急な8ビートになったところ、そして少しつんのめる様なドラム、
おかえりなさい、金字塔。そういう風に感じました。
「この喜びをもう、忘れないだろうな。
そう言って、この友と、歩けりゃあ、いい。」
字面だけ見るとシンプルなんだけどね、この歌詞。でも素敵だ。
ⅱそれでいいのだ!
拙はリアルタイムではなく(100sから聞いた異端児)
それでも
「もういいかい?まぁだだよ」のメロとドラム音で
「勝ったな!」(何に)
「やった!!」(如月千早が約束を歌えた時みたく)
「くぁwせdrftgyふじこlp」(声にならない叫び)
と歓喜した方多いのではと思います。自分ごときがそうでしたから。
『犬と猫』というアンセムに対するオマージュ、いえアンサーに近いものを感じました。
ⅲ十
中村一義さんを語るに外せない事項がBeatlesの存在
自分はBeatlesフリークではないですが(むしろ中村一義→Beatlesの流れ)
なんかBeatlesの曲で聞こえてたアコギの音ぽいな(なんの曲かは分からん)
これも中村さんの魔法ですね。
ⅳ神▱YOU
カミーユ?ってなって、そういえばこの人ガンダムも好きだったな・・・
「ここからいなくなれー!」「暴力はいけない(物理)」のニュータイプの人か?!
銀河に飛ぶからそうなんだろうな
見てないから分かんないけど、歌詞のフレーズとかからも、中村さんの生い立ち知ってるとなかなかヘヴィな曲じゃないかこれ。
ⅴすべてのバカき野郎ども
この曲ができた経緯はトークイベントの動画で見て知ったのだが
やはり、死、というものはきつい。
少し前に自分の大親友の家族が事故でなくなったことや
進行形で大好きな祖母が、たぶん長くないのかもと感じていること
そしてそれがそのうち、もしかしたら急に降る可能性のこと
それらをふと感じてしまうと心が過呼吸起こし苦しい感覚に陥るので
極力、死は考えたくない。
でも逸らすわけにはいかない。
そんなアンビバレントを丁寧にやさしく歌ってくれるこの曲、アルバムの一つの山場だと感じます。
単純に心を支えてくれる。
ⅵレイン⚡ボウ
少し100sのような開けたサウンドで(ALL!!!!!!のそうな空気感)
全くもってサラッとした曲
少しほっとする。
ⅶイロトーリドーリ
よぎったのはあの超腕白で愛すべき天才兄弟の顔w
OASISを彷彿とさせるギターサウンドだが、やはりBeatlesに帰属するのです。
ⅷスターズー
引き続きよぎるのは、いい加減仲直りしろ!と思いながらソロはソロで傑作だしている天才眉毛兄弟wwww
Lylaのようにカラっとしたご機嫌なロック
前の2曲続けて中村流ロックンロールが炸裂しドキドキニヨニヨ
中村ロックの魔法を信じてます
ⅸイース誕
アコギの弾き語り曲
次曲に向けてのインタールード・・・にしては
「なんの為の親だろう」は結構攻めている歌詞ではなかろうか。
ⅹ愛にしたわ。
やったぜ愛すべきハチロクの曲!
そんで、きっとどっかのニコニコした動画でペテ公を宛がうMADが出るはず!w
なんて冗談は置いて
博愛なる気持ちを歌い続けた彼の「愛」の連呼、いや呼ぶというか祈りだ。連祈
ボトルネックからはBeatlesサウンド
100s時代の「ももとせ」で感じた推進力や
「新世界」を彷彿とさせるピーンと鳴り響くギター
暗い部屋は状況が裂いた部屋を思わせる
小岩のフラワーロードから眺めた赤色も見えてくる。
最後はフフっと笑顔で(はにかんで)締める
中村一義さんの唄に触れた方なら
こんな景色が耳からあふれ出すのではないか。そしてそれがボヤけるまでセット。
自分はそうでした。
この一曲に彼が詰まっている、苦しくなるほどに。
でもメロディが人懐こいからいつまでも聞ける
永遠なるものを、今のモードで、余計なものをそぎ落とした曲といった感想です。
この曲に出会えてよかった。
【総評】
このアルバムは光です。
あ、
まず自分は闇属性の人間なので光属性には弱いですw
闇をひとつまみしてると大丈夫なのですが
底抜けに明るい曲には実は惹かれないことが多いのです(WANIMAとか聞かないな。)
この『十』は中盤含めしっかり死の匂いもあるのですが
そういったネガも超えて光溢れる希望を感じる説得力がありました。
音像面でも、前作のような海賊バンドも、アウトプットの点で大切で軽やかで素敵ですが
一人で録ったハンドメイド感、これが欲しかったんだなと単純に思いました。
(ライブでは海賊が良い感じに調理してくれるからそれはそれでいいのだ)
彼の音楽に触れたことの無い方にとっても
ポップ主体の様々な顔を見せるサウンド、そして日本語の妙を感じる傑作です。
そして他の曲を振り返った後にまたこのアルバムに戻ってきてください。
たった十個の物語に秘められたドラマに触れられるはずです。
僕もまだその旅路の途中です。
んで、行こう。