中村君のベストゲーム発表の前に
球児の汗・涙・ひたむきさ
監督が一番勉強家で一番野球を知っている
まずは高校野球の楽しみ方から
高校野球の魅力と言えば、
球児の汗・涙・ひたむきさ
仲間との絆
フェアプレー精神
全力投球・全力疾走
どれも当てはまるけど
高校野球の主役はあくまで選手であることは大前提として
だけどファンとしては『選手』にスポットを当てた楽しみ方よりも、もっとずっと長く楽しめる方法がある
それは
監督のファンになること
監督のファンになること
選手は二年半で入れ替わってしまうので、どんなに思い入れがある選手でも、「高校野球」では見れなくなってしまうから
監督にスポットを当てて野球を観るようになると、自然と「投げる」「打つ」「守る」という基本的なプレー以外の点に注目するようになる
それから現役の選手達に歴代のチームと重なる部分を見つけて二度楽しめたり
長く高校野球を楽しむ方法の一つだと思う
それに、ずっと高校野球を観てきて感じたのは、
監督が一番パワフルだってこと😄
考えてもみたら、選手はガッツリ野球漬けなのは二年半
上のステージで野球を続けないなら、その二年半頑張ればいいのだ
しかも背負うものが何もない、自分だけのことを考えられる年齢なのだから、ガムシャラになれないわけがない
例えその年齢ならではの悩みを抱えているとしても、人生80年で考えればあっという間の二年半なのだ
ところが監督は
預かった子供たちの将来とか、自分の家族の生活とか、色んなことを背負いながらエンドレスにパワーを注ぎ続けなければならない
身体を鍛えあげたタフな子供たちを相手に、
しかも生まれた時から情報社会の中で育ち頭でっかちな世代を相手に、理論を展開すること自体ものすごいパワーのいることだ
監督が一番勉強家で一番野球を知っている
私はそう思っている
一番パワフルで、一番勉強しているのが監督
子供たちがその事に気がつくのは卒業してからかもしれないけど
現役の選手に慕われる必要はない
「親父」とよばれ親しみを持たれるのもいいけど、
私は現役の間は厳しくて嫌われるくらいでいいと思っている
でも子供たちが卒業して二年半を振り返った時に、
監督の寛容さ、思慮深さ、人間的なパワフルさを理解して尊敬する
それが理想的な関係だと個人的には思う
もしそんな関係が築けたら、上のステージで野球を続けても続けなくても、野球漬けの二年半は素晴らしく意味のあるものになると思う
だから長く楽しみたい人はぜひ監督にフォーカスして高校野球を観てもらいたい
反対にプロ野球は、選手の個人技に目が奪われ、監督にはあまり興味がなかったのだが
プロ野球の監督って中間管理職のようなイメージが強くて、結果が出ないとすぐにクビをきられるわりには監督就任中は結果が出てもあまり評価されにくいという
気の毒だな〜っと感じていたくらいで
だけどそれも、私の中で緒方監督の印象が変わったことで180°違って見えてきた
緒方監督はすごい勉強家だと思う
私がカープの試合を見始めたのは、中村君が一軍に初登板した2017年からだけど、去年と比べてさえ今年の方が監督らしさが強く出ていた
特に日本シリーズ
結果に納得いかないファンには叩かれ、
スポーツライターには「一点差負けは監督の責任」「非常時の野球をしろ」と酷評された、
あの日本シリーズで私は『監督らしさ』を強く感じたのだ
結果を出さなければいけない短期決戦であっても、未来のカープを見据える『懐の深さ』だけは忘れてはいけない
それを緒方監督は忘れていなかった
上からのプレッシャーで目先の勝利だけを追い求める中間管理職の姿はあまり見たくない
『勝利すること』と同じくらい、
実は『どう勝つか』『どう負けるか』は重要なのだ
数字的には同じ「一勝」「一敗」
それでも将来的にはものすごい差がつくのだ
プロ野球でも、そういうカッコ良さを感じられる監督に出会えて良かった
来年のカープ、来年の中村君が楽しみでならない
高校野球もプロ野球も、もっと監督にフォーカスして観れば違った発見があって面白いと思う