お手紙を頂きました。

 

ファンレターとして僕の

元に転送されてくるそれは

何時もかなりの量あり、

深刻な内容のものが

多いです。

 

僕は作家ですから、

貴方に手紙を返すことは

ほぼ、ありません。

 

でも僕宛に送って貰ったものは

全て読ませて頂いてます。

 

時間が掛かる場合もありますが……。

 

こんなの送ってしまって

迷惑……とか、

思わなくて大丈夫です。

 

神様は残虐な死刑囚が

執行の間際、

やっぱり助けて下さいよ

祈ったとて

お怒りにならぬでしょう?

 

ちゃんと彼に最低限の平穏を

与えられます。

 

否、僕を神様として

扱い給えというのではなく……

 

僕のことは

貴方のゴミ捨て場だと

思って欲しいのです。

 

捨てる場所のないゴミでも

捨てずにおけば

貴方自身が疲労し腐ります。

僕はゴミの処理に慣れていて

ゴミがわりと好きです。

 

作品を読んで貰う

ということは

読んでくれた貴方の

そのゴミを引き受ける

ことだと僕は最初から

思っています。

 

実際に書面にして

住所や切手の

用意をして送る作業は

今の貴方にとって

とても大変かもしれません。

 

だから、

ここにゴミ捨て場がある

ということだけ

憶えておいて

くれればいいです。

 

祈ることは

教会や神社に行かずとも

やれます。

同じように、

ノートの片隅に

文法も滅茶苦茶の

文言を書き殴るだけで

ゴミは多少、

減ると思います。

 

貴方が僕を

呼び寄せ

必要としたのではなく

僕が貴方を呼び

必要としたから

貴方と僕との関係はあります。

 

変な団体の勧誘文章の

ようで怪しいですが(笑)

僕は病んだ貴方が好きです。

 

健康になったなら

僕の本なんぞ捨て

菊池寛でも読んで下さい。

 

僕等は

何処まで行こうと

少数派ですから、

世間を上手く渡れません。

でも、

だからして自らを

蔑み、邪魔者と

多勢にへつらう必要も

ありません。

 

僕等は僕等の

意地を通せばいいです。

 

彼等だって

大して立派だと

僕には

思えませんよ。

単に数が多いだけでしょう。