乙女の聖典ここに門外不出とせん

オートクチュール的造本の愛蔵版

 

 

愛蔵版それいぬ

 

前代未聞、

リボン結びでとじる函本、

さらに函の内側は

水玉&ギンガムのクレージーパターン

 

特典として古式ゆかしく

蔵書票(クィーンスカルの)

がつくという

国書刊行会ならではの

造本にして頂きました。

 

意匠にこだわり過ぎたので

全てシュリンク加工での出荷になるそうです。

 

愛蔵版なので

どうかお赦し頂ければと思います。

 

愛蔵版用、序文とあとがきを入れました。

 

お高いですが

どうぞよろしくお願いします。

 

2026年1月26日発売予定

(奥付けはお誕生日です)

早いところは23日に並びます。

 

4400円(税込)

 

 

予約スタートしました。

https://www.kokusho.co.jp/np/isbn/9784336078001/

 

 

 

国書刊行会からの説明

 

 

【函】

⚫︎和本の帙(ちつ)をアレンジし、

サテンリボンで結ぶスタイルにした

和洋折衷様式です。

⚫︎文字はすべて白銀色に輝く箔押しです。

⚫︎レースの装飾枠とハネはデボス加工です。

⚫︎内側のリボン留めにはサイズの異なる

ギンガムチェックを施し

パッチワーク風に仕上げました。

 

 

【本体】

⚫︎背文字はすべて白銀色の箔押しです。

函とおそろい。

⚫︎見返しの両面には

表紙と色違いの水玉を印刷しました。

内も外も水玉です。

⚫︎スピンと花布には

サックスブルーを採用いたしました。

 

 

【おまけ】

⚫︎全冊に特別付録として

謹製〈蔵書票〉を封入。

⚫︎蔵書票の用紙には

「ペルガモン」という紙を使用しており、

見返しに貼るとほんのり水玉が透けます。

 

 

*紙の専門商社「竹尾」による解説

ペルガモン-FS

羊皮紙(パーチメント|Parchment)を彷彿とさせる気品あるファインペーパーです。Parchmentの語源となった古代の都市、ペルガモンから名付けられました。ペルガモンの大図書館には、羊皮紙による20万巻もの蔵書があったと言われています。

 

 

 

先週は忙しくて京都のサイン会を終えて次の日から来年早々に出す予定の本の校正を戻したり、読んでおかないといけない本があったリ、とても12月に回してもいい仕事までは前倒しでやれる状態ではなかったのだけど、池袋のサイン会の前日、ようやく京都で貰った分のお手紙を読むことが出来て、そうしたら、やる気に満ち溢れてしまい、一気に12月に書く予定のエッセイを一本、早起きして新幹線で東京に行かねばならぬのに、仕上げてしまいました。

そして池袋ジュンク堂へ——。14時から20時まで、約6時間のサイン会でしたが、余裕でこなします。サイン会直前までは結構緊張していましたが、始まるとアドレナリンが混ざりちょうどいいリラックスのコンディションが継続。自分でも何でこんな元気なのだ?不思議でしたが、考えれば自分のことを大好きでいてくれる人達しか来ない、ホーム中のホームなのです、気持ち良いに決まっております。

150名も大変ですよねと何時も心配されますが、作品を読むだけじゃなくそれを書いた僕にわざわざ逢いたいという人が150名、次々にやってくるのですから、大変さより楽しさが上回ります。

普通、自分を大好きでいてくれる人が6時間もの間、ひっきりなし150名、入れ替わり立ち替わりやってくる世界線なぞありゃしません。終了後、編集者が短い動画を撮ってくれていたのですが、自分でも気持ち悪いくらい笑顔で受け答えしていました。相当に嬉しかったみたいです(笑)。

何時もこうなのでしょうね(笑)。まだ池袋で貰ったお手紙は読めてないですが、贈り物の整理が終わり次第、読もうと思います。そして多分、読み終えたら、小説を書きます。既に完成した長編があるのですがそれを直します。一から書き直すことになるかもしれません。

お手紙を読むと作品として何を書かなければいけないのかがくっきりと浮かびあがります。仕上げてある作品が悪い訳ではないけれど、もっといいものに出来る筈。小説を書くのは孤独な作業といわれますが、僕の場合、お手紙に対する答えだったり、逢いに来てくれた時、一杯話したいことがあったのに眼の目にすると何もいえませんと只、泣くばかりの君への返事だったりするので、さほどその孤独が苦にはなりません。もしかしたら、サイン会で直接、手渡しされる手紙でなければ、これは自分にいい原稿を書かせる為、編集者が仕込んだニセのファンレターなのでは?と訝しがったりするかもしれませんが、震えながら、泣きながら、渡されるこれがニセモノな筈はなく……。

来てくれる人もですが、2ショットも許可の異常なサイン会、やらせてくれる書店、スタッフがあればこそなので今更ながら感謝です。とはいえ、ここまで寛大に無茶なサイン会を25年、継続してこられたのは、参加者のマナーがビックリするくらいに良いからでもあると思います。

初めて立ち会われるスタッフさんは書店、出版社、関わらず、参加者の緊張しながらも楚々とした佇まいに、胸を打たれるとお洩らしになります。心が浄化されるとまでいう方もおられるくらいです。僕や君は当事者なのでそのあたりはよく解らないですけどねぇ(笑)。

来た人から「カッコいい」といわれ、そりゃ、君にとっちゃ神でしょうし、そう映りますでしょう、半分聞き流していましたが、終了後の写真を見返したら確かにカッコいいです。前日、クレイパックもしてますしね、もう若くはないのですが、57歳にしてはそこそこ、カッコいい。というかサイン会ではカッコよくないと、君がガッカリするでしょうという気概が、この6時間だけ少しカッコいいの魔法を与えてくれるのです。だから実は今日朝起きたら、全身、思い切り筋肉痛でした。やっぱり只の還暦手前でした。

贈り物も嬉しいですが、短くてもいい、やっぱりお手紙、貰うのが励み?というか書く原動力になります。そして君が逢いに来てくれることが作品を正しい方向に導いてくれます。これを繰り返したからこそ25年も書いてこられたのですよね。ありがとう。君に返事を書くことはないのですが、常に新しい作品が前にくれたものへの返信です。

作家でよかったなと思います。というか自分だけいつもこんないい思いが出来ているのは申し訳ないです。お分け出来ないし、だから君も作家になればいいよということも出来ないので、本当に恐縮しております。料理人の最高の栄誉が三つ星ではなく食べた人の「美味しかった」の一言であるように、小説家の最高栄誉は読者の「面白かった」なので、今回出した作品もお気に召してくれるといいなぁ。と、帰りの新幹線の中でiPadのメモに書いているので文章、荒削りです。

ごめんなさい。またちゃんと書きますね。

 

嶽本野ばら

 

 

 

 

 

 

 

前を向く。

 

発売日を控え

感想もまだ貰えぬ

この期間は

不安ばかりですが

 

だからこそ

前を向く。

 

小説家として

25年めの節目

 

それは

新しい作品を援護して

くれるものではないでしょう。

 

前作が良かったから

今回はまぁ赦すとか

今回は残念だったけど

次作に期待という緩い世界ではない。

 

今回が最高でなければなりません。

 

「天橋立物語」は

コミカル調ですし、

ラクに読んで貰える長編だと思います。

 

でもその中に

全ての感情は入れましたし

今、書ける最上級を自負します。

 

前を向く――というのは

ポジティブな態度ではなく

もう前を向くしかない

背水の陣なのかもしれません。

 

様々な選択肢がある現代において

只、迷いなく前を向くことは

とても困難なことですよね。

 

それでも前を向こう。

 

この物語が貴方にとっても

顔を上げ、前を見据える

きっかけとなるを信じて。

 

未来が残酷な景色であろうと

しっかりと見据えよう。

 

言い訳は後でするものだから

保険をかけても仕方ない。

 

面白かった――

貴方がそう言ってくれたなら

それでいいです。

 

嶽本野ばら

 

この前行った平塚市美術館の北澤映月展

北澤映月は一番好きな日本画家さんです

出町柳の甘味処みつばちで自撮った著者近影