啄木忌 | 七飯男爵太鼓創作会 BLOG

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本日4月13日、

石川啄木さんのご命日でした。

 

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啄木さんの眠る立待岬。

その麓にある東海山地蔵堂で、

函館啄木会様による「啄木忌」があり、

今年ようやく、参列させて頂くことができました。

一般の私たちがご焼香させて頂ける事、感謝いたします。


歌人であり親友でいらした宮崎郁雨さんらが

建てられた立派なお墓が、今、函館の海を見つめています。

 

  東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる

 

涙はもう、乾きましたか。

春の息吹に包まれて、安らかでいらっしゃる事を願っています。

 

ご法要とお参りの後には、

竹原三哉先生による追悼講演がありました。

 

お話の中で、ご紹介くださった一枚の写真。

そこには、啄木さんのお墓に、優しく腰掛け、

彫刻された歌を見つめる金田一京助さんのお姿がありました。

 

私たちは、4月16日、函館蔦屋書店にて、

和太鼓朗読劇「石川啄木物語」を再演いたします。

原文をお借りしたこの朗読劇は、

啄木の先輩・金田一さんの言葉で始まり、

啄木から京助さんへの言葉で閉じられます。

そこに通い合う愛情で、舞台全体を包みたく。

 

実在の方のお力を得た、この取り組みを進めるとき、

金田一さんの著書『石川啄木』のこの言葉が、いつも胸に浮かびます。

 

「君の非常なる体験は、我々の凡庸を以っては或は到底窺い知る事が

出来ないのかも知れない。それだのに、吾々はどうして殊更に自分の

狭い知見の枠へあて嵌めて故人を小にしよう。偉大なる君自身の存在は、

吾々の毀誉によって毛程も増減するものではないのである。どうして又

余計な粉飾を施して君を煩わそう。否、吾々の貧弱な体験を以ってしては

到底君の全貌を見極めるということが不可能で、吾々には、ただ吾々の

共鳴し得たところの余響を感得し得るに過ぎざるものである以上、せめて

自己を清澄にしてさだかに君の姿を映そうと願う一念あるのみである。」

ー友人として観た人間啄木

 

上記の言葉は、啄木だけでなく、

私たち一人一人の存在にも、投げかけられているものに感じる。

 

16日、私たちなりの合掌として、楽器と言葉に心を託します。

又、これからも、その歌と作品の力を、頂いて参りたいと思っています。

故郷にいたくっても、いられない時代だから。

自分が自分の声を、一番聞きづらくなっている時代だから、あなたの言葉は光ります。

 

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Neri:りさ