両親の家で 温かい服について話していた時。

母が、アンゴラが大好きだと語った。
 
アンゴラの毛が、どうやってアンゴラウサギから取られるか …を説明した。
 
父が、そんな酷いことをと 泣いた。
 
 
「ウサギが叫ぶのを聞いたことが、ありますか(アンゴラウサギ)」
 
冬になり、本格的な寒さが続く毎日。
夏以降、デパートや店先には、あたたかなふわふわのセーターなどが並ぶ。
ある物はカシミア、ある物はウール。
けれど、ことに柔らかく、ふわっふわの繊維で人気のあるのが …アンゴラ である。

 



 

これは、アンゴラウサギから取られた毛である。
おおきな体に、小さな顔のアンゴラウサギ。
その、長くて柔らかな体毛の為に 交配されることの多いウサギである。

 



 

アンゴラの繊維は、中央に穴があり、ふわふわの食感を与えてくれる。
ウールより温かく、繊維は、とても強い。
カシミアよりも、柔らかいと言われている。
それなのに、アンゴラは、カシミアよりも値段が安くもある。
果たして …
アンゴラは、どのような経緯で、私達のセーターや小物、コートになるのだろう?

世界中のアンゴラの90%が、中国から来ている。
PETA の調査団は、中国で、10箇所の違うアンゴラ工場に出向いた。
そして、その目で見てきたのである …
10の工場、すべてが、それは惨たらしい、ひどい行為を行っていた と伝えている。
その報告内容をご紹介したい …。

 恐怖に怯える白いウサギたち
 あまりの恐怖で叫ぶのである

 木の板の上に身体を伸ばされる
 作業員に首をつかまれ、彼らの手でもって、毛をむしられる
 いや …
 毛をむしられる というよりも 皮膚をむしられる という方が的確である
 作業員は、ウサギたちの毛をねじって引き千切る
 その肌が、赤むけてピンク色に染まるまで、それが続く




 また、あるウサギたちは、前足と両足とをロープで縛られる
 そして、数人の男作業員により、金属のハサミで毛をそられる
 皮膚を間違って切ろうが、かまいはせず、その作業は続けられる
 この、恐怖と苦痛の時間が過ぎると …
 真っ赤にむけた肌のウサギたちは あまりのショックと痛みで動くことができない

 そんなウサギたちは、狭く、汚い不衛生なケージに放り込まれ
 なんの処置や手当てなども受けずに、放置される

 




 不衛生で、狭いケージの中で、ウサギたちはケガをし、病気になる
 ケガから化膿したり感染したり、死にも至るが、何の手当ても受けることはない
 また、狭いケージの中は、自分たちの尿や糞でまみれている

 毛を安全に刈る機械(バリカン)を使用することもしない …
 中国のアンゴラ工場の作業員による、手で毛をむしりとられる方法
 これは、ウサギが泣き叫ぶほどに痛みが強く、苦痛に満ち、恐怖なのである

 どうして、そんな方法がとられているのか?
 答えはただ1つ …
 経済的に 安上がり だからである
 手荒な方法で …
 より早く …
 より沢山 …
 より売るために

 



 

 英国のアンゴラウサギのブリーダーは、こう言っている

  ウサギに痛みを与えることなく、手で毛をむしる為には
2週間かけて、優しく抜けかけの毛を取り除いてあげなくてはならない
数分で、皮膚が真っ赤に赤むけになるようなやり方は、あり得ない


 1羽のウサギの毛を、ウサギに痛みや恐怖を与えずに刈る為には …

 本来ならば1時間ほどの時間を必要とする
 そして、1羽のウサギに対し この行為は、3ヵ月ごと、2~3年は繰り返して行われるのである


アンゴラウサギの寿命は、およそ5年
手厚く面倒をみてもらえば、10年は生きることができる
しかし、このアンゴラ工場のウサギたちの寿命は …
平均わずか2年なのである
それほどに、不衛生な場所で愛情も受けず、苦痛と恐怖を繰り返す一生なのだ


 この苦痛の一生
 中国のアンゴラ工場のウサギたちは その狭く汚いケージの中
 細いワイヤーの上で寝そべったりもできないので、ずっと立ったまま過ごすのだ
 そして、ワイヤーで肉球を痛め、切開して、血を流している
 ウサギとして、跳んだり跳ねたりなど、決してできない一生なのだ

 この、あまりに残虐ですさまじい一生
 多くが途中で病気やケガ、精神的ショックで死んでいくが …
 生き残ったものであっても、アンゴラ繊維として使えなくなったり
 病気やケガをして苦しんでいると
 首の骨を折られ、逆さまに釣る下げられて、最寄の肉屋に売られるのである