パワーゲーム | 北林ちかこのブログ

北林ちかこのブログ

並木道を優しい風が通り抜けるように、自然体で生きたい

暑さはイライラを増幅させる…。

昨日、久々に、とっても不機嫌な人とでくわした。

あるお店に行ったら、
前のお客さんがお店の人ともめていた。

予約時間に訪れたのに、
その人の予約が入っていなくて、
担当者も不在だったのだ。

だが彼女の手元の予約カードには、
ちゃんとその日時が記されている。

お店側の記入ミスらしい。

担当者ではない、
他の店員さんが平謝りして、
自分が対応させていただきます…と言っている。

だけど、お客さんの怒りは収まらない。

この暑い中、
ここまで出かけてくるのは大変だったこと、
駐車場がいっぱいで、長いこと待ったこと、
担当者が変わると
行き違いが生じるのでは…と不安になること、
崩れた信頼はなかなか取り戻せないことなどを、
繰り返し繰り返し述べる。
 

「私も○○様の担当者と同じ技能を習得しております。
今日は、どうか私に対応させてください。」

店員さん、誠意あると思うけどな。

そして、お店側のミスだとしても、
すでに起こってしまったことだし、
この人に延々と文句を言っても、
何も解決しない。

だけど私には一瞬で分かった。

この人は、解決策が欲しいのではなく、
自分が被害者であることを、
ただただ認めてもらいたいのだと…。

私は悪くない、
悪いのは全部貴方、
それを認めて、謝って、
私の傷ついた心を癒してよ!

店員さん…、仕事とはいえ、大変だな。

被害者意識は、誰もが持ちうる。

貴方が100%正しいです。
私が悪うございました。

…これを言わせることで、
弱い立場の者(損害を受けた者)が、
優位に立つ。

つまりパワーを握るのだ。

人間という生物は
幾つになってもパワーが好き。

被害者意識を振りかざすことで、
相手を思い通りに動かせるのであれば、
それは気分もいいだろう。

だけど自分を被害者という立場に置くと、
相手は加害者になってしまう。

そして被害者は、
堂々と加害者を責めることができるのだ。

こんなことしたって、
誰もハッピーにはならない。

一時的に鬱憤を晴らしても、
被害者は、いつだって自分を可哀そうだと思う。

可哀そうな自分に、人は親切にしてしかるべき。

そして人が自分の思い通りにならなければ、
どんどん不機嫌になる。

加害者に仕立て上げられた人は、
いわれのない責めを負って、
自分を曲げなければならない。

不毛だ…。
 

自分の不機嫌で相手をコントロールする、
こんなパワーゲーム、
夫婦間や親子間でも
けっこうやっちゃってるよね?

『人間の最大の罪は、不機嫌である』

ゲーテの言葉が、改めて染みいってくる。

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