4649文字(約10分程)
『かいもん』という横浜関内と銀座に店を構える不動産会社で働いていて、会社が10年目という節目になにかできないかなと思い、ブログを書くことに決めました。
定期的にアウトプットとして僕が日々感じてる事や、今後どんなことをしようとしているかなど、そんなことを綴っていこうと思っています。
ブログを書くにあたって、ビジネスの少しでもヒントになればいいな、なんてことも考えながら書いていきたいと思ってます。
今回はリノベーションについて話したいと思います。
初めに『リフォーム』と『リノベーション』って何が違うのか。
『リフォーム』は悪い状態からの改良という意味で、『マイナスになったものを元に戻す』という意味合いとなり、『リノベーション』は革新、刷新、修復を意味で、リフォームがマイナスの状態のものをゼロの状態に戻すための機能の回復という意味合いに対して、リノベーションはプラスαで新たな機能や価値を向上させることを表しています。
ですので、『グレードアップするリフォーム』と覚えといてください。
かいもんでは『中古住宅再販売事業』を行なっているのですが、結果からいうと、この市場は『プロダクト』で勝負していくのは難しいと考えています。
まず『中古住宅再販売事業』とは何かというと、中古物件を買って『リノベーション』して再販売するというだけです。
『中古住宅再販売事業』というと重厚感もあるのでカッコつけて書きましたが、本当は『リノベ再販』といってます。
なぜ、『プロダクト』での勝負が難しいのかとというと、理由の一つに『仕入価格の高騰』があげられます。
なぜ上がっているかというと、別に相場が上がってるわけでもなく、『リノベ再販』の市場に参画しくる業者がめちゃくちゃ増えていて『需要』と『供給』のバランスがあっていないのがあげられます。
業者同士で争って、購入して実際に住むお客さんの事はおいてけぼりになってる状態に感じます。
ここらへんは『不動産ひとり社長@大阪』さんのブログがとてもわかりやすいので見てみてください。
大阪の不動産会社なのですが、関東と変わらないですし面白いです。
仕入価格が上がれば比例して再販売価格も上がりますし、どこもかしこも同じようなリノベーション内容なので差別化もしにくいんですよね。
よって消費者目線で見たらどれも一緒で『プロダクト』そのものに『価値』はなくて、結果的には『駅近』『通勤、通学』とか『利便性』の方が重要になっていくわけです。
余談を一つ
かいもんでは『競売』で物件を仕入れる事もしています。
『競売』は差し押さえた後に裁判所が主体で販売するものですが、その前に債権者である銀行などが主体になった『任売』という販売方法があります。
(競売とはなんかしらの事情で差し押さえされた家をオークションのように入札して落札できる制度です)
『任売』は普通に売り出されているので、業者でなくても誰でも普通に家をかうように買えます。
『任売』で売れなければ『競売』に流れるのですが、先日『競売』で落札された金額の方が『任売』より高額だったというアクロバティック仕入れをしてる業者がいました。
普通にありえないんですよ。
例えるなら100円で誰でも買えるジュースを、わざわざ補償金なりめんどくさい手続きをとって200円で買うようなものです。
しかもそのジュースはもらえるの3ヶ月後とかです。
それを300円で売るのが目的ですからね。
(不動産なので何百万単位です)
何が言いたいかというと、こんなファンタスティックな事する会社も参戦してるので、普通にやっても仕入れられないですよね。
終わりの始まりを感じました(笑)
そもそも本来『リノベ再販』って『再生』して『価値』を生み出すことに『マネタイズ』してるのに、もう『再生』だけでは差別化するの難しく、参画企業も大量なので完全なレッドオーシャンなんです。
(完全なレッドオーシャンってあってるんですか)
まともに勝負しても、資金力がある大手には敵わないという状況ですね。
言い方がすごく乱暴なのですが、今の市場で売り出されている『リノベ物件』のほとんどはお客さんからみたら有象無象となり、つまるところどれも一緒で『価値』が見出せないと思います。
(ここで戦うと勝算はまずない)
※『リノベ再販事業』は在庫を抱えるので、売れなければ赤字になりますし、銀行に返済しなくてはいけないので赤字でも販売しなくてはいけなくなるので、多分倒産していく会社は増えていくと思います。
『競売』であげたファンタスティック不動産屋は筆頭ですね。
さて、長くなりましたがここからが本題です。
かいもんも『リノベ再販』は難しいのではないかと思われる人はいると思います。
ところがどっこいかいもんの素敵なところで、次のフェーズにすでに移行してます。
まず『プロダクト』ではないところに『価値』をつけるために『家具メーカー』と提携をして、同時に3DCGクリエイターを雇用して、仕入れた物件をリノベーションせず、CGで部屋を作りこみ、購入したい人が『カスタム』出来ることを『価値』として売り出しました。
※自社調べですが、新居に住み替える人の8割は転居のタイミングで家具を買い替えたいといいます。
ただし、予算をかけるのであればまずは『電化製品』で『家具』は後回しになるので、結果的に買い換えれないというのが実情です。
ピンとこない人も多いと思うので具体的に説明します。
かいもんの物件であれば、住宅ローンに組み込んで家具を購入する事が可能となり100万分かっても月々2500円で収まる事を伝えます。
100万とはいかなくても、それなら『ソファだけ』『ダイニングテーブル』だけとなり、提携メーカーに足を運んでもらうんです。
(提携メーカーなので、それなりのサービスあります。)
提携メーカーにいくと、特別感を感じますし、購入感度が上がるので、もともとは【不動産→家具】という導線が【家具→不動産】と逆転します。
『この家具を置きたいから家を買いたい』となるのです。
あわせて自分好みに部屋をカスタムもできるので唯一無二の物件として、お客さんと一緒に作り上げていくわけですから完璧じゃないですか?
リノベ再販売にかかわらず、不動産の販売セオリーは売り出しは高めに出して、原則価格を下げるしか施策しかなかったのに、かいもんは価格を安く出して、どんどん上げてく施策で販売してるわけです。
完全に逆の動きです。
(完全に自慢です。)
ここで勘違いしてはいけないのが、家具メーカーやクリエイターは一流を選ばないといけません。
ここがしっかりしてないと『価値』はだせないので注意です。
かいもんの提携してるメーカーを一部を紹介しまし。
【アルフレックス】
【ジャーナルスタンダードファニチャー】
かいもんでは今あげた以外に7社提携しており、合計9社です。
どこもめちゃくちゃかっこいいです!
ここのレベルまでいかないと『この家具を置きたいから家を買いたい』という導線にもっていくのは難しいと思います。
話をもどします。
かいもんでは説明したように、仕入れた物件に対してどうやったら『価値』をつけれるか試行錯誤した結果『カスタム』や『家具』によってお客さんの要望を叶えて『物件』に『希少価値』をだして『差別化』することに成功しています。
幸いな事に『リノベ再販業者』ふえた事によって、仕入れた物件の近くや同じマンション内に『リノベーション』してる物件が必ずあるので、それをモデルルームとして案内もできます。 (そのままその物件で申込になるケースも多いです)
『カスタム』と『家具』は『不動産』を絡めると『シナジー効果』としては抜群に威力を発揮してるなと感じています。
まとめると、『リノベ再販』を主軸にしてる会社は、今後は角度をかえて販売していかないと苦しくなる一方になるという事です。
『再生』には『価値』はなく『希少』を『演出』することが必要になっていくと思います。
文頭の方に書いた。
消費者目線で見たらどれも一緒で『プロダクト』そのものに『価値』はなくて、結果的には『駅近』『通勤、通学』とか利便性の方が重要になっていくわけです。
ここも視点を変えて仕掛けていく方がいいと思います。
駅から遠くても、その距離が健康の為になるような仕組みをつくったり、通勤、通学時間がかかっても始発で座れて通勤時間を読書や勉強に使える事を『演出』した方が『希少価値』が上がるはずです。
多分リノベーション内容もエコな素材を使ったり、『ウチ』しかやってないと、プライドをもってこだわったリノベーションをしてる方もいると思います。
ただそれだけだと、『プロダクト』勝負になり大手には勝てないと知った方がいいです。
例えるならエコがテーマでアパレルなら『パタゴニア』に並ぶ企業はありません。
(僕が知らないだけで、他にもあるんですかね)
性能が良いものは他社でもあります。
ですが、性能がいいのは当たり前でプラスαが『パタゴニア』は強いです。
タイアップ『エコ』みたいになってるので、アパレルをやるなら『エコ』はテーマにしない方がいいよとアドバイスします。
勝算がないわけではないですが、多分紙ぐらい薄いのでおすすめしません。
『パタゴニア』で買い物する人は『服』を買ってるわけでなく『環境保護』や『理念』に共感して『パタゴニア』にお金を払うのです。
どうせ服を買うなら環境保護に力を入れてる『パタゴニア』がいいなと。
知ってる人もいると思いますが、『パタゴニア』は環境破壊の観点から袋もくれないんですよ。
普通だったらなんでだよ!友達にプレゼントであげるのにどうやって渡すんだよ!ってなりますが、『パタゴニア』なら全然オッケー僕も協力するし、という感じになります。
逆にしらなくて、買い物しても、袋くれないからこの会社なんなんだよと調べると、『パタゴニア』ってすごくね?ってファンになっていくパターンですね。
これ無敵です。
少しそれましたが、書いていてパタゴニアが『プロダクト』と『意味』『価値』の説明でわかりやすいのかなと思いました。
かいもんも『パタゴニア』のようにプラスαを作る事が重要だと思いますし、その為に『ブランディング』に力を入れていこうとしています。
仕掛けはすでにしており、公表できるものであれば、あるクリエイティブ関係のインスタグラマーとコラボしてリノベ物件を販売します。
(多分これは来月には発表できますね。)
あとは他の仕掛けもタイミングがきたら公表します。
個人的に、あとはお客さんに届ける事が課題だと思ってます。
きっと今まで本当にいいサービスであってもお客さんまで届けられなくて潰れた『サービス』は星の数ほどあると思います。
そうならないように、『届ける』ところには力は入れていきたいなと思っています。
最後にしつこいですが、別に僕は上から偉そうにあれやこれや言える人間ではないですし、思った事を書いているだけなので!
便所の落書きレベルでおねしゃす!
多分次回は『意味』について書いていくのかなぁと思ってます。
(適当なので全く違う内容の可能性もあります)