昨日、予約を一日ずらしてもらった歯医者とヘアカットをして、帰ると、夫はスーパーに行っていた。

DIYで買ってきたのは、手すりの材料。金属パイプとそれを柱に留める部品金具。

午後から自分でつけた。電動ドライバーなども久しぶりの出番だった。

 

こういうものを、その昔夫の母を見ていたころには、母の部屋とトイレや浴室に行く廊下などの柱に何本も取り付けていた。

懐かしい感すらある。

夫は長男だし、家は中古で買った古い物だったので、わたしも柱にくぎを何本打っても平気だった。

家を建て直してからは、釘などとんでもないと、夫もわたしも思っていた。

が、そうも言っていられないということだ。今度は自分の番だ。

 

夫とわたしは二階の八畳の和室に布団を並べて寝ている。

夫は朝起きるときや夜中にトイレに行くときに起き上がるのがつらいのだという。

布団のすぐわきの、押し入れが並ぶ柱である。

「昔はおばあちゃんのために付けて、自分の分は誰も付けてくれそうにないから、できるうちに自分で」などと笑いながら言っていた。

まあでも、できるうちに付けてよかったと、素直に思う。

 

いつかこの手すりに、わたしがつかまって立ち上がるときが来るのかもしれない。