ようやくお雛様を出した。42年前に、わたしの娘のために両親が大阪の松屋町で買ってきてくれたもの。大きな箱を下げて帰ってきたのをよく覚えている。
12月18日に出産して、年末には夫の東京転勤が決まり、わたしは実家にいるまま、夫一人で引越しをした。私はうつうつと、生まれたばかりの、よく眠り、手のかからないわが子とともに何をするでもなく実家にい続けるしかなかった。
そんな私を元気づけようとしてくれたのだと思う。二月上旬のある日、二人で出かけ、買ってきてくれたのだ。それからずっと、毎年飾り、いつの間にかぼんぼりなどは消えてしまったが、娘が娘を出産した時(2月24日)「お雛様はわたしのがあるから」と言ってくれた。だから孫娘1には買っていない。
この上品なお顔が、わたしはとても気に入っている。最近のはかわいらしさが先に立っているようで。
いつまでもいつまでも大切にしたい、雛人形。

