わたしはもうずっと、毎朝食パンをトースターで焼き、マーガリンとかジャムを塗って食べる。 我が家では、夫と孫娘も朝はパンである。


息子のところに孫が生まれ、手伝いに泊まった時、中国人のお嫁さんは、スーパーで売っている食パン、八枚切りを、毎朝一枚マーガリンを塗って食べていた。 トースターがなく、そのままなので、息子は食べないから一週間もあって、美味しくないだろうなあと、わたしは思ったが、黙っていた。息子が、トースターくらい買ってあげればいいのにとも思ったが、それも黙っていた。


その後、我が家で二か月間ホームステイした時、スーパーで買うのは同じでも、6枚切りだし、すぐになくなるので常に新しいし、何よりオーブントースターで焼くので、美味しく思ったのだろう。


今度行った時、キッチンに新しいオーブントースターがあった。めでたし、めでたし。


息子がキッチンで何か探していて、「どこに置いた?」とお嫁さんに聞いていた。 お嫁さんの答え。

「パン焼く機械の上」 !!!!???


ああ、中国ではトースターは、なじみのないものなのか。 とわたしは初めて思い至った。 そういえば、去年数日滞在した時、朝食用のパンや果物を前日の外出の帰りにスーパーあるいはコンビニのような店で買ったが、食パンがなかったような気がする。 生地に甘みを練り込んだような丸い形状のパンを連日買って、部屋に置いてある数種の中国茶で食べた。 あれはあれで、外国にいる感があってよかったが。


通りには朝になると朝食のための屋台が現れていた。 温かいソーメンのような麺を食べているようであった。家で作るより外食の方が安いし、合理的。 これはいくつかの国に共通することのようである。


以前夫と二人暮らしの友人が、時たまだけど、朝カフェに行ってゆっくりするの、と言っていたことがある。貧乏性のわたしにはそんなことできない。 第一外出するとなると、スッピンと言うわけにいかないし、早く洗濯を片付けたいしとか、何かと主婦は忙しいのだ。


ただ、旅先は別だ。 Gumに行ったときは「Subway」 でサンドイッチを買ってビーチで食べた。 ハワイでは、朝からステーキを食べるアメリカ人の老夫婦に目を丸くした。 大阪では、地下のコーヒー店の若い女の店員さんが次々並ぶ客を見事にさばくのに見とれた。 夫が思わず、「あなた、すごいね。素晴らしいよ」 と声をかけていた。


思い出は尽きない、トースター~パン~朝食~旅  このへんで