わたしの毎年の憂鬱課題。 お盆。


三人きょうだいのうち、わたしだけが関東にいて、日ごろなかなか実家に帰れないが、


もう長いこと、夏しか帰らない。 


もっと前には、年末年始に帰ったり、両親が元気なころは、二、三年帰らなかったりもした。


こちらで、何が起こっても、わたし一人で奮闘した、という自負がある。 夫の親の問題もあったし。


ようやく、夫一人を置いて留守ができるようになったと思ったら、娘が出戻ってきた。



父が亡くなってから、十年ほど経つが、母は実家で一人でいる。


隣家に兄夫婦がいて、買い物などはしてくれる。 


そうはいっても、兄は72歳、兄嫁は66歳。 自分たちのことで手一杯と想像する。


兄には脳梗塞の後遺症もあって、日々の生活には困らないが、細かいことには苦労している。


兄嫁はそんな兄に、何もさせないように気を使っているので、結局全部一人で背負っている。


この状態がもうずっと続いていて、誰か一人が病院へ、なんていうことになったらと思うと……。


もっとも、母が病院へとなるのは、むしろ好ましい。 


施設へ入るのを拒否する母は、入院する機会でもなければ、実家から離れない。


これという病気もないので、治療や入院は今のところ必要もなく、これがまた困ったことだ。



去年の夏帰った時、おととしよりも元気そうなので、驚きあきれたが、


先日電話すると、腰が痛いと言っていた。 


あまり痛がると病院へやられると思って我慢しているのだと、わたしは思っている。


父のとき、あまり元気も食欲もないので、一度病院へ入って点滴でもしてもらおうと行って、


そのまま家に帰れなかった。92歳だった。


だから、病院に入るということは、もう最期だという気が、母にはあるのだと思う。秋には95歳だもの。



毎年お盆が近づくと、わたしは憂鬱になる。 そして、実家から帰るとき、切なくなる。


今年もまた、その時期が来てしまった。