島倉千代子さんが亡くなった。
子供の頃、家に初めてテレビが来て、大人の流行歌というものを
知るようになった。その頃からの長い歌手人生。
ちょっとはにかむような表情、器用とはいえない仕草で歌う。
「東京だよ、おっかさん」 「この世の花」 「人生いろいろ」
透き通った高音で、いつまでもかわいらしい。
歳を重ねても、かわいらしさが消えなくて、謙虚さもある。
あまり嫌いな人はいないのではないか。
芸能人でなくても、このように他人に嫌われないタイプの人がいて、
羨ましいと思うことがある。
何だろう、自己主張しないのかな、言葉が柔らかいのかな、
やっぱり謙虚で、目立つことをしないのかしら。
黒田清子さん、旧姓？紀宮清子さまが、ご結婚前のインタビューで、
好きなことは目立たないこと、嫌いなことは目立つこととお応えになっていた。
わたしも同感なので、とても印象に残っている。
歌手という派手な仕事、華やかな環境に長い間いるのに、
お千代さんはきっと、目立つことは好きではなかったんじゃないかしら。
天国では、先に旅立った人たちとは少し離れて、静かに休んでください。
心からそう思います。
それにしても、昭和の灯が一つづつ消えてゆく。 さみしい。