孫が下校する4時ごろになって、急に激しい雨が降り出した。
こんな雨の日は、子供はゴム長に限る、あまり履きたがらないけど。
水溜りを安心して、ピチャピチャできるのに。
小学校の低学年の頃、姉とおそろいの赤い長靴を買ってもらったことがある。
初めて履いて学校に行き、帰ってくると、近所の友達と遊んだ。
ちょうど雨が上がって、水溜りで、夕暮れまで、夢中になって泥遊び。
新しいゴム長の、外側は泥だらけになった。
そのまま家に帰ると、母の小言が飛んできた。
「こんなに汚して、明日も履くんだから、自分で洗いなさい!」
ゴム長を自分で洗うのは初めてだった。
きれいに、きれいに、外側の泥を洗い流し、内側にも水をたっぷり入て……。
「まあ、中に水を入れたの? どうするの! 明日も雨が降るのに!」
母の言うとおり、翌日も雨だった。
まだどっぷりと水を含んだままのゴム長を履いて、
一足ごとに、ブギュ、ブギュ……。気持ちが悪いけれど、しかたがない。
学校までの遠い道のりだった。
靴の汚れは、たいていの場合、外側だけ落とせばいい、一つ学習した。
さて、傘も持たず、運動靴で登校した孫娘、
置き傘が見当たらなかったと、濡れて帰ってきた。学校が近くてよかった。