夫がいないと、家が広くなったよう。手術が無事に終わり、


その後、ナースステーションからガラス越しの部屋におかれている間は、


何の心配もいらないし、実際家族がいても仕方ないので、


昨日は一日家にいて、夫の毛布やシーツを洗ったり、布団や枕を干したり、


年中座っている座布団のカバーを洗い、中身を干して、かなりすっきりした。


十日ほどで元気に戻るつもりで、本人はいたが、


看護師さんに三週間は覚悟しておいてと言われて、少しショックだったよう。


仕方ない、まな板の鯉だもの。


今日はダイニングテーブルのカバーをきれいにこすり洗った。


こういうことが、男の人が一日中家にいて、どっかりと座っていると、


なかなかできない。ちょっと出かけている間に、さっとできるものでもない。


こちらにも都合があるし。


夫は身長が高いわけではないが、なんとなく嵩だかい。


残った女三人は、いずれも小柄なので、家の中が広く感じられる。


夕餉の食卓も、夫の漬物類や酒の肴類や、


馬のように食べるざく切りのキャベツなどがないので、空間が残る。


まな板に載っている夫には悪いが、しばらくはこの空間を味わいたい。