姉からメールが来て、「この間お誕生日だったわね、忘れててごめんネ」
この間というのは、ナラヤのバッグを姉にも上げるつもりで注文していたので、
着物と一緒に送った日、わたしの誕生日だったと言うわけ。
着物については、説明が要る。
去年の夏実家に帰ったときに、老母が、
「もう着物を着ることもないから、もらってほしい」と言いだした。
姉は身長があるので合わないし、第一着物は要らないと、はっきり言う人だ。
わたししか引き取り手がいないのはよく分かっていたので、
段ボールに3,4箱、送った。
荷造りをしながら、母の棺はどうする?と思ったが、口には出せなかった。
それで、この夏姉に会った時に、
それ用の着物を送るから、預かっておいて欲しいと言ったのだった。
実家は奈良の生駒市、姉は枚方市で近いのだから。
1度も袖を通していないのが何着もある。
そのうち、母に似合いそうで、わたしには似合わなさそうな、
薄い銀灰色の綸子の付け下げと、やはり薄い灰色がかったピンクの、
縮緬地の無地を送った。
それと一緒にナラヤのバッグを送ったというわけだ。
棺用の着物をとにかく送って、わたしは肩の荷が少し下りた気がしている。
健啖で喋り好き、介護不要の母に、いつそれが必要なのかは神のみぞ知る?