今夜は中秋の名月。


昨夜よりは真ん丸い月を見る、はずであった。


それなのに台風がきたので、家中の雨戸をきっちりと閉め、


被害なく済むことを祈っている。


夕方、昨日のうちに買ってあった「月見だんご」を赤い塗りのお皿に重ね、


締め切った窓際のテーブルに載せた。


すると、孫娘が白い紙にまん丸を書いて、黄色にぬり、切り抜いた。


それを窓ガラスに貼り付け、「月が見えないから」と言う。



実は、もう20数年前になるが、息子がやはり4年生のとき、


今日のようにお団子があるのに、曇っていて月が見えなかった。


すると息子は紙に満月を書いて切り抜き、窓際のカーテンに留めたのだ。


叔父と同じことをする、わたしは不思議な思いで描かれた月を眺めた。



今、夜の九時過ぎ、風はいっそう強くなっている。