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長男の結婚式でした。

無事に済み、ホッとしました。

記念に私の挨拶の全文を残しておきたいと思います。
今日こうして結婚式を挙げることができましたこと、ひとえに本日ご出席いただいた皆様方のお陰と心より感謝申し上げます。
少しばかり、親としての気持ちを述べさせていただきたいと思います。
今日こうしてご挨拶させて頂いていることは、私が父親として初めてする仕事であるような気がしております。
私が結婚し社会の第一線で頑張っていたのは、バブル経済の真っただ中で、今のように厳しい環境からは想像もできないような時代でした。
365日24時間営業のような生活が続く中、「山鳩さんのお子さんは何年生ですか?」と問われても答えられず、「どこの学校ですか?」と問われても答えられないという有様で、子供達にとっては、父親はいないも同然の生活だったと思います。
それにもかかわらず、今日こうしてこんなにかわいい奈緒ちゃんと結婚までたどり着いてくれたことは言葉にできないほどの喜びでございます。
これまで父親の役目を果たさず、今更父親面をするのも言いにくいものがありますが、最初で最後の仕事として、親としての思いを2~3伝えておきたいと思います。

まず一つ目は、大切なものはお金で買えないということです。
お金で買えるものにたいしたものはありません。
それではお金で買えない物って何なのでしょうか!?
皆さんも考えてみていただきたいと思います。

その一つは、「家族」「親戚」「友人」だと思っております。
おかげさまで私たちは今、本当に素敵な人たちに囲まれ健やかに暮らしております。ここにまた奈緒ちゃんという新しい家族が増え、そして新しい親戚が増え、こんなにうれしいことはございません。ただただ心から感謝するばかりでございます。

お金で買えないもう一つのものは健康です。
陽輔は交通事故で、命すら危ぶまれるほどの大怪我をしました。
このときばかりは、家族の誰もが恐怖に打ちひしがれたものです。
多くの素敵な人たちに囲まれ、健康であればこれほど幸せなことはありません。
でも健康は、栄養あるものを食べ、体力をつけ、病気にならないことだけが健康ではありません。精神状態も快適な状況に置かないと、本当の健康ではありません。

お金で買えないものは他にもあります。
二人で考えて、大切な宝物をいっぱい作って欲しいと思います。

伝えたいことの二つ目は、「後ろ姿は、背筋をピンっと張って歩いてほしい」ということです。
1990年代に入り、バブル経済が崩壊の兆しを見せ始めたころ、私は会社と部下との狭間で難しい問題を抱え「鬱状態」になり、長期間会社を休んだことがありました。そんなとき陽輔が母親にこう言ったそうです。
「親父、元のはつらつとした親父に戻るやろか!?」
そう言ったそうです。
私はそれを聞き、はっとしたものです。
少なくとも私が会社を休むまでは、私のことを「はつらつとした親父」と見てくれていたことがうれしかった。陽輔の子供時代は会話らしい会話も交わしたこともなく、一緒に遊んでやることもなかったのに「はつらつとした親父」と見ていてくれたことを、とてもうれしく思ったものでした。
「一緒にキャッチボールをしたかった!」と言う恨みの言葉とともに忘れられない言葉です。
決していい父親ではなく、「後ろ姿で教育をする」というほど格好いいものではありませんでしたが、一生懸命仕事に打ち込んでいたことだけは自信があります。後ろ指をさされない後ろ姿で、生活してくれることを願っています。

そして最後、三つ目は、私が好きな言葉を贈りたいと思います。
誰の言葉か忘れましたが、ある本の解説に書いてありました。
「強くなければ生きてゆけない、優しくなければ生きてゆく価値がない」

厳しい世の中ですが、頑張り過ぎないように、二人でいたわりあって、・そして強く生きて、「大切な物探しの旅」を続けて行って欲しいと思います。

最後に、ここにご出席いただいた大切な方々、二人にお力添えをよろしくお願いいたします。
本日は、本当にありがとうございました。
平成21年10月7日  父より