
仕事に行く途中、新大阪まで送って行ったのだが、母はやはり寂しそうだった。
妹を見送るかのように、テッセンが咲いた。
公園の入り口近くに7~8本あるうちの、一本だけに花が咲いた。
初めてテッセンを見たとき、「なんて美しい花なんだろう!」と思った。
今も美しいと思うが、始めて見た時ほどの感動はない。
渡辺淳一の小説(「失楽園」だったと思う)の中に、鉄線(漢字表記だったと思う)が出てきたのを思い
出す。
その時以来、鉄線には「華やかさ」と「はかなさ」のほかに「淫靡(いんび)」な印象が付きまとう。
テッセン (キンポウゲ科)
黒くて固い針金のような蔓に、鮮やかな花の色を見せるテッセンは、初夏から夏にかけて使われること
の多い花材のひとつです。独特の茎の姿から和名では、「鉄線」の字をあてています。
テッセンの原種の特徴は、黄色味のかかった白い六弁(写真は八弁なので交配種と思われる)の花のよ
うにみえるガク片の中央に、おしべが多くあり、花糸と呼ばれる葯をささえる柄の部分は、扁平に変形し
て紫色をしています。
このテッセンは、クレマチス属のひとつで、もともとは中国中部の原産で、わが国には江戸時代初期、
十七世紀中ごろに渡米しました。江戸時代における、テッセンの人気は相当なものだったらしく、浮世絵
に描かれたり、寺院の天井を飾ったり、着物の柄になったりしています。
花言葉(テッセン)
高潔・精神的な美しさ
今日の誕生花
5月21日 ラークスパー(ピンク) 花言葉→気まぐれ・移り気