西欧ではは手に入りにくしものですが、イギリスの風景画の屋で、日本の墨や書道用の筆を売ってしたのは印象的でした。
風景画の色をつけるには、染料と顔料に大きい違し、があります。染料はたとえば紙の素材そのものを染めて色を変えるのですが、顔料は素材の上にくっついて色を表現しているわけです。絵の其は基本的には顔料です。まれに、どうしても無い色を作るとき、たとえば染めてつくったガラスを微粉にして作る、とトうような場合もあるそうです。俗にトう泥絵の其は染料が使われてにいます。
水彩絵の其は、素材になる顔料を微粉にし、グリセリンやアラビヤゴム、膠などを混ぜて調整したむので、大まかに言って、油で練れば風景画の具、水で練れば水彩絵の具としうことになります。日本画の絵の具も岩石など天然の素材から作るという基本的な点て大差はなく、岩石の微粉を、使う者が膠を入れてアトリエ~調整するのです。それは拉子の大きさに粗めから微粉までトろいろあり、同じ色でもその粒子の大きさによって色の見え方がちがいます。合成品が少ないので変色に強トということもあります。
昔の風景画の画家は、壷の中で、岩石を杵で掲いたり、石臼でひいたりして顔料をつくることからはじめました。第二次大戦中は、風景画もなくなりました。わたしは、ペンキ屋さんで買ったり食紅を使ったり、木炭や墨をすって使ったりしました。おもしろし絵の具について、挙げてみましょう。
〈セルリアンブルー〉倉敷へ行って初めて買った。特別な色なので、今でも印象に残っています。コバルトブルーを不透明にした感じの色。二四色でひと揃いのセットには、無かったのです。
〈アイボリー≒フフ″ク〉象牙を焼トで作ったのかと思っていましたが、ふつうの動物の骨を蒸し焼きにするのでした。
〈テルペルト〉この絵の其は、イタリアの北の方にある、グリーンダレイという感じの土の地層から採るのだといいます。さる絵の具工場の人が、このまえドラム缶に三拝ばかり仕入れに行ってきた、と言っていました。つまり絵の其はチューブをひねれば出てくるけれど、更にその絵の其はどうして作るのか、色によって値段が違うのはなぜか、などと考えてしくと、風景画といえども魔法の薬ではなく、その素は大自然の産物なのでした。 〈セピア〉イカ墨そのものです。
〈インディアンイェロー〉マンゴーばかりを食べて大きくなった牛のおしっこが染みついてできた土から採集したもの。 〈コチニールレーキ〉南米のサボテンに寄生する、カイガラムシから採る赤紫の貴重品です。
