世界選手権2017 | デンマーク・ハンドボール観察日記

世界選手権2017

またまたご無沙汰してしまった。。

オリンピックで金メダルをとった興奮のままチャンピオンリーグのチケットを購入、フレンスブルグまで対バルセロナ戦を観にいったが、もちろん面白い試合だった。フレンスブルグは負けてしまったが。。

しかし、一方で、Ulrik Wilbekがオリンピック中に監督Gudmundur Gudmunssonを解雇しようと、選手たちと秘密の面談をしたというスクープ記事が出て騒ぎになり、結局Ulrik Wilbekはハンドボール協会から去り、Gudmundur Gudmunssonも今年の夏以降の契約更新はしない、という声明も出すという後味の悪い展開になってしまったのである。新監督はNikolaj Jacobsenだそうな。。

 

そして今日、世界選手権の一次リーグ戦が終了した。

実は今回いろいろあってフォローしきれていないのだが、それまでのざっとした雑感としては、、

 

・世界選手権ではありがちなのだが、今回もまたグループ間のレベルが不均等。大体ヨーロッパが獲得するワイルドカードの国がポット6に入るため、前回それでドイツがデンマークのグループに入りとても厳しいリーグ戦になったが、今回はそれでノルウェーが入ったフランスのAグループが明らかにレベルが高く、、、ポーランドがまさかのリーグ戦落ち。日本はかわいそうとしかいいようがなく、、一勝もできないまま順位決定戦へ。ちなみに、ポット6のノルウェーは2位通過。

逆にデンマークはポット2だったのにポット1がカタールで、ほかもパッとしなくラクなグループになり運が良かった。というか、デンマークのグループD以外、ほかはそこそこ厳しかったかもしれない。Dグループで欧州勢はデンマークとスウェーデンのみだったのに、ほかはいずれも4チームずつ入っていたのである。

 

・今季、まったくクラブの試合を観ていないので、新規の選手をまったく把握してなく、デンマークにでさえ知らない選手がいたことにもショックを受けたが、わりと馴染みのあるスウェーデンに至ってはほとんどが知らない選手であることに驚きを禁じ得なかった。ぱっとスタメンを観た限り、知っているのはデブちんポストバックの名前だけ美しいAndreas  Nielssonのみ。(とはいうものの、実際に近くでみると結構イケメンなのだが。。)活躍していたオレンジ髪のJim Gottfridsson、誰やと調べたら、フレンスブルグ所属だと。。。10月に生観戦しにいったのに、まったく記憶がない。。

そして、愛するスペインチームも知らない選手が多い。わたしの愛するJoan Canellasがいたのと、ポストバックのスペイン人にみえないJulen Aguinagaldeがいてホッとしたが、やっぱり好きなサウスポーバックMaquedaがいない。。。そのかわり、バルセロナのEduardo Gurbindeが活躍していたが。このひとは本当にかっこいい。

でも、スウェーデンもそうだけど、世代交代で若返っているチームが増えたということなんだと思う。

 

Eduardo Gurbinde

 

・オリンピックから解禁になったエキストラユニフォームの必要のないキーパー代替要員。これが導入されてから、2分退場で利用しないチームはいない、というほど空っぽゴールが一般的になった。デンマークはそれでオリンピック決勝で7人攻めという荒業を使ったが、スウェーデンも対デンマーク戦で活用していた。

 

・やっぱりハンドボールって、演技力も求められるんだ、、、と思うエピソードがいくつか。

テスト試合の対ハンガリー戦で、Rene Toftが演技で倒れたのだが、これにレフェリーがまんまと騙され、ハンガリーの選手はレッドカードで退場。これに対して、デンマーク人でさえRene Toftに対して非難したのだが、その罰があたったのか、対バーレーン戦でMikkel Hansen2人に執拗にブロックされたのに腹を立て押したところ相手選手が倒れレッドカード退場。これについて、翌日元ハンドボーラーの同僚に話したら、むしろMikkel Hansenのほうが相手につかまれていることを少々大げさでもアピールするべきだったと。もちろんやりすぎは逆にペナルティーをもらうリスクもあるけど、腹を立てたらそこでアウトだから、その前に、こんなにもしつこくされているんだぜ、ということをレフェリーにみせるべきだったと。

ただ、この判定についてはビデオでも評価され、結果レッドカードにはなったものの、次の試合に響くペナルティーになるブルーカードまでには至らなかった。結果的にはMikkel Hansenは次の試合で意味なし試合だったため、まったく出なかったのだが。きっと、体力温存ということもあったと思うけど、ブルーカードが出るのを恐れた、というのもあるだろう。

しかしこれも、今回、おおっと思ったこと。ゴールでも際どいものについてはビデオで判定することになったらしい。まるでアイスホッケーである。これはいいんじゃないかな、と思う。どうせ、テレビでばっちりわかるようになっているのだから、あとでクレームがつくくらいだったら、いっそのことビデオで判定していいと思う。

 

で、肝心のデンマークであるが、ラクなグループだったから一応一位通過はしたものの、対スウェーデン戦ではどうかな、と思ったし、対バーレーン戦ではヒヤっとした。

やっぱりMikkel Hansenに依存しちゃっているな、という感じ。スウェーデンは若いチームで監督も新しいアイスランド人でとても戦略的な戦い方だったのだが、Mikkel Hansenを常にマークし、ディフェンスのときでさえカバーして速攻にも絶対出させず、攻めのときは3人でブロックしてくるという徹底ぶり。それでマークの手薄いKasper Soednergaardがスペースを得てシュートをしてはくれたものの、デンマークは調子を崩され負けるんではないかと思うほど流れが悪かった。

バーレーン戦では、Mikkel Hansenがレッドカードをもらってメンタルをやられ、楽勝なはずの試合で一時期は一点差まで追いつかれ、勝つとは思っていたけど、デンマーク本当に大丈夫??と思うほど悪い雰囲気になった。

でもまぁ、オリンピックも出だしはイマイチだったけど、最終的にはいい展開になったし、今回もよりチームとしてまとまっていってほしいなぁと思う。