「ふるやのもり」って談志が好んだ民話だった。
深いし、そして展開が完全にカメラワークっぽくて映画みたいな感じのする話だ。
それを再話という形で、構成し直したのがうちのご近所にお住まいだった児童文学者の瀬田貞二先生。
その娘さんがご健在で現在「瀬田文庫」を主宰し、近所の子供達の読書の場となっている。
中二の次男坊はヨチヨチ歩きの頃から1人で足しげく通っていたものだ。
以来本好きになった次男坊。
「パパ、これ、借りるね」と俺が読み終えた「陸王」を早速学校に持って行った。
次男坊の中学では朝読書で15分間好きな本を読むのだと。
15分って結構読めるもんなあ。
本は習慣なんだとつくづく思う。
染二兄さんから電話。
本のお礼だった。
やはり思った通りの律儀な人お方だった。
考えてみたら師匠宅には献本が山ほど送られてきていた。
前座の頃、よく師匠にいただいたものだ。
カネのなかったあの頃ほんと助かった。
が、ニ、三日すると必ず感想を求められる。
それに対して的確なあらすじも含めた中身のあれこれをきちんと答えられないと、
恐ろしいほどの罵詈雑言が待ち構えていた。
恐怖心から本を読む力を身につけさせてもらった。
それがいま生きている。
風邪気味なのをなんとかジムでごまかして、
今日もレギュラー化しそうな落語の脚色化の原稿を二本、昨日から累計で四本終えた。
スマホで読む小説みたいな感じかな。
さ、9冊目の本を書く。
原稿をひたすら積み上げてゆくのみ。
天下の大師匠 談志 の
無茶振りに耐えつづけた9年半で手に入れた、
”笑う”コミュニケーション術