「前座は蔑称なんだぞ」と師匠に言われたことを噛み締める。
どんな名人でも最初は蔑称からスタートする世界なのだ。
マイナスから積み上げてゆく。
いきなり発言権を与えるなんてことはしない。
一定の基準を満たさない限りその存在を認めない。
「侮蔑を原動力にせよ」という談志の教え。
ここでタフになる。
想像するに相撲の「股割り」みたいなものかな。
無様な恥を晒すことで大怪我をしないためのエチケット。
とにかく前座のうちの自己主張を徹底否定した談志だった。
やはり前座レベルの咆哮は負け犬の遠吠えにしか聞こえないものだ。
やっとわかってきた。
天下の大師匠 談志 の
無茶振りに耐えつづけた９年半で手に入れた、
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