1年前の話。

 

前座の時に師匠に言われた言葉。

「女は了見で口説くもんだ」と続く。

 

了見とは「プレゼン」だ。

かっ飛んでいるほど面白い。

とことん現実離れすべきだ。

一歩間違えば詐欺師だが。

 

大事なのはそこに日々の努力を含めたリアリティがあることだ。

「もしかしたら実現するかも。

実現したらめちゃ面白いかも」という思いにさせられるか。

ワクワクすることの共有化だ。

「結婚してくれ」という口説きはいわば「未来の共有化」で、

「この人と一緒にいたらこれから楽しくなりそう!」という予感。

 

人間は誰もが先々不安な生き物で

その不安さを一緒にいて緩和させてやるという決意表明に、よろめくのだと思う。

無論その裏打ちには生活の安定というリアリティあればこそなのだが。

兼ね合いが難しいのだ。

解決方法は「糞真面目な中2病」になればいいのかもな。


「Facebook、Twitter、面白いですね」と言われるけど、

ここでも「自分はこんなくだらないことをいつも思いついています」というプレゼンの場なのだ。

ここでつぶやいたのがキッカケで俺の場合は実際本が出せたし、

落語会のお客様も増えた。

これは、れっきとした仕事なのである。

いや、仕事というより、サガか。

 


それまで出版の世界とは縁もゆかりもなかったが、

その恩人が結びつけてくれた。

全てはここから始まった。

 

「プレゼン」という「案」を惜しみなくここで出し続けていると、

面白がってくれる人が現れそれが「因」となり、

そこにさらなる「運」が加わると一気に弾み出す。

 

それらがミルフィーユのようなレイヤーになり、

そしてやがて強固な「縁」となってゆく。

その「恩」を忘れてはいけない。

そこからまた「案」が、醸成されてゆく。

見事に一気通貫、全てつながる。

 

ロイヤルストレートフラッシュは一つのつぶやきから始まるのだ。

 

 

 

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