ショーンKは

何も持たない人間が大手メディアと渡り合うにはという意味では実に示唆的な事件だ。

虚言癖のある人間にいままで何人か接してきたけど、

概ね芸能方面でかつ役者さん関係が多かった。

 

一つには確かめようがないからね。

「主に舞台で活躍しています」と言われたら

「ああそうですか」としか言えないもんね。

 

落語家みたいに「誰の弟子?」とは問えない世界だから。

 

そいつはすごかった。

「俺は◯◯というアイドルと友達だ」とか言って

着信メールを頼んでもいないのに見せて来たり。

 

完全にウソだと見抜き、後半はからかい気味だったら向こうから去って行った。

 

確か、上田の方でもMコーポレーションというインチキ会社を作って

「石原慎太郎の娘だ」と言って詐欺を働いた事件があったっけ。

 

実際都落ちはチヤホヤされるからね。

地方の人が東京の匂いのするものに騙されるように、

ショーンKはアメリカの大学をちらつかせることによって経歴詐称を謀るというのは

やはりこの人も都落ちコンプレックスを上手に使ったともいえる。

地方なら東京、東京ならアメリカという図式に日本人は弱いのだ。

さらに学歴コンプレックスのみならずハーフということで人種コンプレックスをくすぐった。

人種コンプレックスは容姿コンプレックスでもある。

根の深いところをうまく利用したんだ。

 

ただここでボロが出た。

 

「ウソは完璧にしようとしてバレる」。

これは探偵さんから聞いた話。

容姿も経歴も声も全て完璧過ぎたのだ。

 

うちのカミさんは最前のインチキ役者をかかってきた電話だけで見破った。

「あの声の出し方は不自然」と。

 

その感性からか、ショーンKの出ているテレビはすぐ消したし、

車の中で彼の声がラジオで聞こえて来たらすぐ周波数を変えた。

俺は逆にこの人は凄い人だと思っていたから完全に騙された側だった。


「好かんけん!」と久留米弁がいつも飛び交った。

 

このショーンK、

一箇所でも逆にポカがあればまだインチキは継続させることは出来たのにと思う。

もったいないことをした。

たとえば整形は整形でもハゲに整形するとか、

鼻は逆にものすごく低く作って鼻の穴が見えるようにするとか、

声も逆にボーイソプラノだったりとか、

実はものすごいドスケベでカメラ回ってない時には、

女性スタッフには「おっぱい、おっぱい!」と言ってたりとか。

 

やっぱり「スキ」は大事だなあと反省した次第。

 

それにしても、カミさんは怖いんだ。

プロの私立探偵の小原さんの元に一度ご挨拶に行っただけで、

友人の旦那の浮気相手の住まいを突き止めたことがある。

その旦那の車の中に落ちていたコンビニのレシートから探り当てたものだった。

 

絶対、俺はバレているのだろうなあ。

 

 

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