定例独演会。大盛況。
「たがや」、「水屋の富」、共に夏の噺だが残暑がまだ残る季節ゆえギリギリ間に合ったかな。

 

ゲストの坂本頼光さんの活弁は、俺からの「サザザさん」のリクエストに見事に応えてくれた。

坂本 頼光さんのオリジナリティは古き良き日本映画へのオマージュに溢れているところへもってきて、何よりアナーキーだ。

会場の密室性と相待って爆笑となった。

 

 

つまりは信頼関係だ。

人を貶めて取る笑いの難しさがそこにある。

主体者と貶める対象との間で強固な信頼関係がたとえあったとしても、観客の一人でもそこに違和感が生じれば爆笑とはなりにくい。

 

「もしここで笑えばその貶めに賛同したことになってしまう」という「メタ認知」が働いてしまうからだ。

 

極論すれば基本観客は「シャレのわからない」ものなのだ。

むしろ貶めよりリスペクトの方が笑いへ導きやすいのかもしれない。

ブラックジョークの難しさがそこにある。

 

頼光さんのギャグや登場人物のキャラは、対象への敬愛に満ち溢れている。

殿山泰司を知らない人でも、波平化させることでそのキャラが蘇るのだから。

 

「ここで笑っていいんですよ」というささやかな罪悪感めいたものが芽生えるのも彼の魅力だ。その導入部分が人柄ゆえか、優しく、観客は安心して彼との共犯関係を成立させてゆく。

活弁界を一人で担う天才だと確信する。

 

彼とのご縁が深まったのも、一冊目の「大事なことはすべて立川談志に教わった」からだった。

優しい人だからこそ、あの本の裏側まで読み解いてくれた。

やはりいい芸人は限りなく優しいのだ。

 

 

 

 

立川談慶が、天下の大師匠 立川談志 の
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