咲希が最近、ぐずる。
神経質というか疳の虫というか、
普段から小さな物音でも起きて
しまうような子なのだが、
ここ4日ほど酷い状態。
一日中ぐずぐず言っている。
お腹もすいてない、
オムツも大丈夫、
起きている時間は充分遊んだ。
でも、寝てくれない。
寝たとしてもすぐ起きて、
不機嫌そうにぐずる。
なので、私は咲希を
おんぶ紐で背中に括り付けて
掃除、洗濯、買い物、ご飯作り、
一通りの家事をこなしていた。
おんぶは大好きなようで、
背中では よく眠ってくれる。
首が座ったから安心とはいえ
肩はこる、首は痛む、足はむくむ、
頭痛は悪化する、腰は痛む、
そして
自分の睡眠時間も
ろくに取れず、
だんだん朦朧としてきた。
どうしていいか
わからない。
帰ってきたハルが咲希をあやすと
多少ご機嫌が良くなるのは救いだ。
夜はハルが側にいてくれる安心感もあり
私は咲希を放って
爆睡してしまうようになった。
朝になるとハルが
「あなたが寝てる間、俺はずっと
咲希の背中をさすっていたから寝不足だ」
そう言って家を出ていく。
しまった、
ハルに負担をかけている。
このままじゃいけない。
なんとかしなくちゃ…
気が進まなかったが義母に電話してみた。
義母は「あらそう」と軽く言い、
私に質問をしてくる。
「おっぱいは?」
「もう出ないのでミルクです」
「うんちとおしっこは?」
「特に問題ありません」
「ふーん、どうしたのかしらね」
午後から義母が家に来て
咲希の様子を見ることになった。
「咲希ちゃん、ちょっとごめんね」
おもむろに咲希の服を脱がせ、
体を観察する義母が
「あら!オムツかぶれしてるじゃないの」
気のせいか声のボリュームがデカい。
「ほら!見てみなさいよ」
「あっ、これオムツかぶれですか…」
咲希のお尻が赤いと気にしてはいたが
かぶれていたとは。
「待ってなさい!」
家を飛び出すように出て行った義母。
しばらくすると
デパートの袋を
両手にぶら下げて戻ってきた。
「はい塗り薬。あと布オムツね」
早速、咲希のお尻に薬を塗り
勝手にサッサと布オムツに変える義母。
「紙オムツなんてダメなのよ!」
「そうなんですか?」
私の答えに義母はイラッとしたようで
「布オムツにしなさい!」
声を荒げた。
薬が効いたらしく
すやすやと眠る咲希を抱っこしながら
義母は また、
私に聞こえるくらいのボリュームで
咲希に話しかけるふりをする。
「おーよちよち、咲希ちゃんの
お母さんはダメねえ、もっと
しっかりしてもらわなきゃねえ」
ダメ………
私はダメなのか。
そうだよね
かぶれさえ、わからなかったんだから。
しかも2人の子供を育て上げた
義母がそう言うなら、間違いない。
私はダメな母親なんだ。
