お早うございます。
団塊親父です。
映画「セントオブウーマン」(原題:Scent of a Woman--女の香り)を観た。制作は1992年だから、もう21年前になる。
主演はご存じアル・パチーノ。彼が盲目の退役軍人を演ずる。元中佐で、現役時代は勲章を授与されるほどの軍功を挙げている。戦闘中の怪我で視力を失った。
生来のそして退役してから培われた女好き、高いプライド、気難しい性格、そして頭の良さ。この難しい役をアルパチーノが絶妙の演技で見せる。
この映画はこの一年間に見た約60本の映画の中でベストワンであった。
まず、まなこを全く動かさない盲人の演技に目を見張った。
そして、プラザホテルのオークルームで見知らぬ女を誘って踊るタンゴの見事さ。これだけでもこの映画を見る価値がある。
ストーリーは退役軍人を面倒みている姪の家族がバケーションに出る間、軍人に付き添うアルバイトを仰せつかった苦学生チャーリーとのやり取りで進行する。
アルパチーノは生きることの意味がないと自殺をすることを覚悟し、冥土の土産にニューヨークへ行って贅沢をする。アストリアホテルに泊まり、一流のレストランにリムジンで繰り込み、高級料理を堪能する。いい女(彼には見えないが)がいるとすぐナンパに走る。
苦学生のチャーリーはパチーノにいやいやながらも付き合わされる。
チャーリーもこの旅行中鬱屈を抱えている。悪童の旧友たちが校長の車にいたずらをする現場を見てしまう。校長からその友達の名前を言えば、ハーバードへ入れてやる、さもなくば退校だとディールを申し込まれているのだ。
友達の名を言えばハーバードへ行けるが、裏切り者の汚名で学校では友達がいなくなる。かといって苦労して学費を稼いでいてくれる両親の手前退学なんて絶対受け入れられない。
最初、パチーノのエキセントリックさに辟易していたチャーリーが徐々に心を通わせていくプロセスが丁寧にエピソードを重ねて描かれている。パチーノの抱える寂しさや、人生の悲しみもよく表現される。
最後は全校集会で校長から友達の名前を言えと迫られるところに、なんとパチーノが現れ一世一代の名演説をぶち、チャーリーを救う。
この名演説は映画の中の演説として一級品だ。「独裁者」のチャップリンを凌駕するほどだ。悪童の級友の悪事や学校の偽善ぶりがスカッと暴かれ、校長もぐうの音も出ないほど糾弾される。親父は演説に完璧に引き込まれ時間を忘れた。
集会が終わってパチーノとチャーリーの所に演説を聞いた歴史の女教師が挨拶に来るとすかさず彼女と粋な会話を交わす。このエンディングが何とも主人公の生命力を象徴しておりがすがしい。
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