進化の最終端に遺されたルーツの痕跡 | 樂車道樂のお旅所巡礼/DanjiriDouraku

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西条の太鼓台であるところの「御輿」。
 
あの独特の「走り打ち」だが
実は
西条の人間が
独自に発明したシロモノ
などでは全くない。

 

 
 
あれもベースは
太鼓台の打ち方が叩き台となっているのだ、
 
最初の2フレーズは
讃岐のちょうさや新居浜などで
おなじみのフレーズ
 
「ドンデンドン、 
ドンデンドン、
  ドンデンドン、
 デン、ドン」 
 
が1拍ずれた
「ドン、ドデドン、
 ドデドン、 ドデドン、 ドン 」
・・・がベースになってからの変化。
 
 
 
 

この太鼓台の打ち方、
大阪地方の太鼓台などは分かりやすいが
もともと唄を合わせるための
拍子のとり方のようだ。
 

 

「じゃあ
その続きはどうなんだ。」
 
 
ああ、その質問はもっともだと思う。
私も長いこと疑問だった。
 
ちょっとこれを見てほしい。
 
 
 
 
 
これは岡山地方の太鼓台、
「千歳楽」という屋台の
合わせ太鼓」という打ち方。
 
舁いていないときに叩かれるので
若衆を集める時に鳴らす
「呼び太鼓」なのだろう。
 
 
細部こそ違うが
このテンポとリズム。
 
これ西条の御輿台の打ち方
そっくりに聞こえないか。
 
 
ああ当然だが
伝承も文献も存在していない。
 
デッチアゲとも
妄想とも言うには簡単だろう、
 
 
しかし西条の御輿台の
あれだけの複雑な打ち方を
西条の人間だけで、
何の叩き台もなく
いきなり即興で発明したというのは
 
客観的に見れば
それこそただの思い上がりでしかない。
 
 
誰が何と言おうが
どのような伝統にも
必ずそれの母体となる
ルーツが存在する。
 
西条の御輿台の「走り打ち」とは 
現在でもこの地域に
太鼓台の打ち方の
いち作法として伝わっている
 呼び太鼓が、

日本唯一の「曳き太鼓台」
 のための打ち方として
 
太鼓台に使われる
メインの打ち方と
融合したことによって
伝承の消滅を逃れ
奇跡的に遺されたものではないのか。


だとすれば
西条の御輿台の存在そのものが

「検証する資料なきがゆえ」
盲目的に考えられてきたような
ただ偶然により
たまたま発生した突然変異
 などではなく、

むしろ四国の太鼓台の
伝承のルーツを追ううえで
避けては語れない重要さを孕んだ
特別な屋台ということになる。


ここは四国の太鼓台文化の
最終端でもあるのだ。

ただし陸路伝播という意味合いであり海路経由の南予は考慮していない 
 
いまだこれを事実だとして
証明する証拠などあるわけでない、
これからも出ることはないのだろう。
 
 
 しかし私だけかもしれないが、 
先述の千歳楽の動画を
初めて見つけたときなどは
 
そのロマン溢れた邂逅に、
それはもう震えたもんなんだ。