1年に3日間だけの恋愛 | 樂車道樂のお旅所巡礼/DanjiriDouraku

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◆( 'ω') 四国の愛媛県は伊予西条からお送りしています。
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―――1年にたった3日間、  
 
そう、
たった3日間だけの喧騒。
 
 
静かな田舎の小さな町が
1年のうち夜通し3日間だけ
轟音と群集と煌びやかな熱で満たされる。
 
祭りのある幼少時代を
過ごした人は例外なく
この世で最も幸せな人種だと
感じていた日々のこと。
 
 

 
 
意外なことに
この「祭り」という行為について
深く論じられ
掘り下げられた書物は少ない。
 
文献や写真集も
地元の有志が
僅かな予算で限られた部数を
おらが地元の理解ある書店の隅に
ひっそりと並べては
 
けっしてその地方から
出ることのない内輪の記念誌が
関の山なのだ
 
 
たしかに
大都市の有名すぎるものは
別格のものだが。
 
 
そうして人知れず
いつもどこかの地方で
誰かの故郷で
愛すべき僅かな数日間が
輝かしいハレの日となって
繰り広げられている。
 
 

 

 

あの眩しいような
灼けつく感じのことを
正確に表現する言葉は
ないのかもしれない。
 
 
 いちばん近い感覚があるとしたら、
ものすごく激しい恋愛感情だろうか
それでも到底及ばないのだが。
 
1年間待ち焦がれた恋人に
たった3日間だけ逢って
愛し合うことができる感覚に
どこか似ているのかもしれない。
 

 

もうそんな感覚も
来た道のどこかで
 
紛れて見えなくなってしまったが。