経営戦略専門家小馬宋x墨田川珈琲CMO呉振対談抜粋

原文:https://mp.weixin.qq.com/s/4FTIZaz5kQCYJYHW5nHmMg

注:

✨翻訳にあたり一部原文編集してる部分があり、ご容赦ください。 

✨誤字・誤訳ご容赦ください。

✨無断転載お断りしております。


対談者:

小馬宋:経営戦略専門家 

呉振:隅田川珈琲CMO

墨田川珈琲のキャッチコピーである「ロックザフレッシュネスコーヒー(新鮮さをとじ込んだこーーヒー)」について、元々の考えは「フレッシュなコーヒー(新鮮なコーヒー)」だが、消費者側から見ると馴染みのないコンセプトである為、小馬宋側が調査と検討を重ね、墨田川珈琲側と「製造方法」を強調するものに変更し、最終的に決めたものである。

以前から仕事を一緒にした事がある二人が隅田川珈琲というブランドの3年間の歩みを振り返り、企業価値、ブランド価値について話す対談。その中でアンバサダー肖戦についても言及し、その部分を抜粋して翻訳した。


※一部ブランドアンバサダー価値がわかるような背景を前半においています。

経営面のポイント:

・墨田川珈琲はEコーマスからスタートしたコーヒーブランドで、三年間で年商3億元から10億元に成長し、企業としてEコーマス限定のものから一般市民にも知られるものになりつつである。

・今期1月〜8月の8ヶ月間、同期比成長率は150%で、売上げ金額は前年比2.5倍である。

・製品別で見ると、コーヒーポーションとドリップコーヒーはTmallの売上及び同類商品の第一位を持続しており、特にコーヒーポーションは同カテゴリーのマーケットシェアは50%以上を占める。

・新商品「レッドスティック」発売して半年が経つが、月平均売上数は500万杯程。

・ブランド経営に関して、9月にショートビデオをローンチし、Tmallスーパーブランドディーのキャンペーンにも参加し、まずまずの結果を収めた。9月のTmallカテゴリー別ブランド知名度などでは有名な海外ブランドを抑え、Tmallでは一位になった。

・三年間で大きな成長を成し遂げた墨田川珈琲がした「正しい経営判断」は、早いタイミングでブランドのスタイル転換を始めたと呉振が話す。その中で、三つの大きな施策があった。

一つ目は。コーヒーを飲む人の多くは運動と健康に関心を持っていることから、アジア競技大会の公式スポンさになったことである。

二つ目は、ブランド知名度を一気に引き上げたトップスター、肖戦とグローバルブランドアンバサダー契約をしたこと。

三つ目は、中国において、コーヒーへ「生活スタイルの憧れ」や「感情的訴求」を持つ人が多くいるから、芸術的な演出も必要であることから、この間の王家衛監督とのコラボを実施した。



王家衛監督と肖戦のショートビデオ企画の裏話

・王家衛監督と肖戦のショートビデオ企画を立案し、実行したきっかけについて、元々呉振は安藤忠雄や隈研吾のような建築家とコラボを検討していたが、実現性が低く断念。その後オフラインのコーヒーフェスやミュージックフェスも検討したがコロナ禍において不確定要素が多く且つ墨田川珈琲は現在二百人ほどの団体である為大型イベント開催するのに人員が不足していることから、前出した「運動・健康への関心、トップスターの存在、生活スタイルの憧れと感情的訴求」を全部一つにしてしまおうと思いつき、ショートビデオ企画の雛形ができたとのこと。そして監督の人選に関しては、王家衛さんは上海出身で、彼の作品はブランドイメージと合致していることや、業界内では「いかなるトップスターであっても、最も美しい瞬間は王家衛監督のカメラが収めている」という定説があるから、王家衞監督とコラボができればファンの方々やこれをきっかけに肖戦を知りたいと思う方には面白い企画になれるのではないと考え、王家衞監督に声をかけてみた結果、話がまとまり今回の企画が実行に移ることができ、前出のショートビデオが誕生した。

・販路の拡大やブランドイメージ転換に多くの投資が必要とされるが、前出のショートビデオ企画への投資はかなり大きい金額になる(数千万元規模)。小馬宋から「私自身なら一、二百万元規模の投資しかしてないが、数千万元の資金を使って企画を実行するときに、自信があったのか、それともあなた自身も少し不安があったのか」について質問があり、呉振は「この投資は一種の模索であり、回収できなかった投資も多くあったが、最終的に皆さんに知られたのは、成功したからである。一つ大きな企画に投資するか、多くの分散された活動に投資するかは企業によって違うが、1000回の小さな投資を好む同業者がいるとも知ってる。しかし時々1000回の小さな投資は1度の大きな企画の結果に及ばないこともある」とし、「今年の投資企画に関して、肖戦は『王(ジョーカー)』で、王家衛監督も『王(ジョーカー)』である。二人そろえば最強の手になる。この企画は実施当時からいろんな課題があり、投資額が高く、他の企画に回す資金に影響が出る事もあり、そしてまだ途中だが、この企画によって卸業者や小売御者が確信を与えることができ、販路の拡大は期待できる」とのこと。



CMOが話すアンバサダー肖戦

・隅田川珈琲を知るきっかけは肖戦だという方も多い中、「肖戦をブランドアンバサダーに選んだ理由と、これまで仕事一緒にしてきた中でみんなに共有できるエピソード」について、呉振は「日常消費財に関して、トップスターをアンバサダーにするのは業界内では一般的なことである。ここではなぜ肖戦なのかについてだけ話そう。それは我々がしっかり調査を重ねて結果である。最終的に一般消費者との考えが少し違うが、良い点を挙げるのを割愛し、ネガティブな発想から見ても、肖戦は潔白で純粋にキャリアを高めたい、ポジティブで向上心があるスターだとわかったからだ。このようなスターと長期契約をするのは安心できる。そして彼のいいところや、影響力は、市場はちゃんと感知して反応はしてくれる。」と語った。

・「肖戦をアンバサダーにしたことは、これまでの墨田川珈琲の成長において、一つのマイルストーンだと思うかどうか」について、呉振は「『キャズム』という本があるが、多くのテクノロジー企業が大企業に成長できないのは、マイノリティからマジョリティへの大きな溝(キャズム)を乗り越え変えられないからである。私個人の考えにはなるが、(墨田川珈琲発足当時)パッケージコーヒーは(中国国内市場において)まだまだマイノリティであった。そして、新鮮さを閉じ込むというコンセプトへの理解にもハードルがあった。私にとって、ブランド上層部と価値観体系を構築して、いかにそれを広め、『キャズム』を乗り越えていくかが課題だった。アンバサダーの存在は、最初のキャズムを乗り越えるのに決定的な効果を発揮した。」小馬宋「つまりマイルストーンのようなものであると?」呉振「はい。彼の存在はこの過程を加速させたと思う。少しずつ推進してたら、こんなに高効率に広まることはなかった」と