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フォトリーディング読書感想文

フォトリーディングで毎日2冊以上の本を読み、毎日1冊以上の書評ブログを書きます。  「読む読書」⇒「アウトプットする読書」 さまざまなジャンルの本を読み、ポイントを押さえわかりやすくお伝えします。

訊問の罠 ――足利事件の真実 (角川oneテーマ21)/菅家 利和

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手錠足利事件で釈放された菅谷さんの逮捕のきっかけとなったDNA鑑定は、
もともと「決め手」になるような鑑定ではありませんでした。



試験管その鑑定は、血液型(B型の分泌型)にDNA型(MCY118型)を組み合わせたものでした。
B型の出現頻度は22.1%、
B型の分泌型の出現頻度は67.8%、
MCT型の出現頻度は0.83%、
これらを掛け合わせると、0.1244%、1000人に1.2人という数字が得られます。
1000人に1.2人とは833人に1人ということ意味します。
この出現頻度は、科警研がMCT型のサンプルを集めるに従って、どんどん高くなったのです。
最終的には、161人に1人に増えたのです。



注意鑑定書にこの数字がはっきり書いてあるにもかかわらず、
これを誰もが決定的な証拠だと思い込んだのです。
恐るべきことに、そのことに気づいた人はほとんどいなかったのです。

内容もよく確かめないで、これを「決め手」と判断してしまう司法の程度がわかります。


テレビ菅谷さん、テレビを通してみると、気が弱そうな印象を受けます。
「お前はもう絶対、逃げられないんだ」と刑事に言われ、責め続けられたそうです。
この証拠で自白の強要をされたのです。


ビデオカメラ菅谷さんは、取り調べのすべてを録音・録画するようにする"全面可視化”を求めています。
密室での取り調べによる自白、それによる冤罪は後を絶ちません。
今は自白しない被疑者が増えているそうです。
"全面可視化”をすると取り調べ自体はとても難しくなるでしょう。
でも、今回のような誤りがあり、それを検察官も裁判官も見抜けないような現状では、“可視化”すべきだと思います。


すみません司法からの謝罪がないことは何より驚きます。
検事は謝罪会見を開いたが、菅谷さんに直接の謝罪はしていません。
裁判官からは全く謝罪の言葉はない。
栃木県警の本部長は菅谷さんに直接謝罪しましたが、取り調べた警察官は来るといったのに、一緒に来なかったのです。
自分たちのミスが明らかになっているのに、謝罪しないことが許される社会は不思議です。
親方日の丸なんでしょうか?


新聞「否認突き崩した科学の力」
「スゴ腕DNA鑑定、100万人から1人を絞り込む能力」
菅谷さんが誤認逮捕された翌日の新聞の見出しです。
テレビ・新聞は大騒ぎでした。
そして、“100万人に1人”というありもしないことを平気で書いています。


ダウン冤罪で釈放の報道はされていますが、逮捕に比べるとかなりトーンダウンしています。
こういう事件こそ、もっともっと大きく取り上げて、真相を追究していくことが報道としての役割だと思います。


ドクロ冤罪はとても大きな問題です。
冤罪といえば「免田事件」が有名ですが、それを教訓にしているとはとても思えません。
「検証免田事件」
対応すべてが、全部が中途半端ですね。



目次

第1章 私はなぜ、虚偽の自白に追い込まれたのか
第2章 「足利事件」とはどのような事件だったのか
第3章 私はやっていない!-獄中から家族に宛てた手紙
第4章 弁護人、検察官、裁判官はなぜ無実を見抜けなかったのか
第5章 DNA再鑑定までの長い道のり
第6章 釈放後の想い-「私の一七年半を返してほしい!」
第7章 裁判所は真実を闇に葬るつもりなのか


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