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フォトリーディング読書感想文

フォトリーディングで毎日2冊以上の本を読み、毎日1冊以上の書評ブログを書きます。  「読む読書」⇒「アウトプットする読書」 さまざまなジャンルの本を読み、ポイントを押さえわかりやすくお伝えします。

金融危機後の世界/ジャック・アタリ

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マイク「来年(今年)はどんな年にしたい?」
年末年始テレビを見ていると、例年のようにインタビューに答える人たちの映像が流されていました。
「景気が悪いから、景気がよくなる年にしたい」
今年は、みんな口をそろえて同じような景気に関するコメントをしていました。
聞いていてうんざりしました。



Yen儲からないと、収入が増えないと、ダメな年だなのでしょうか?
人は景気がよくなるために生きているのでしょうか?
「金融至上主義」
その刷り込まれた価値観が、金融危機を起こしたのです。



大臣新財務大臣の菅さんが就任の日に、円安容認発言をしました。
円相場はあっという間に93円台まで戻りました。
しかし、「市場に政治は介入すべきではない」という反対意見も出て、翌日には菅さんもトーンダウンしていました。
正常な市場なら、当然市場の自由意志に任せるべきですが、架空の金融商品で乱された今の市場はとても正常とは思えません。
やられてばかりいないで、日本の政治も介入すべきだと思いますが・・・・



本本書は金融危機の原因、実態、その後の世界のあり方が書かれています。
著者は経済学者、思想家、作家としてヨーロッパを代表する知性として、世界の注目を浴びているジャック・アタリです。
以前紹介した「21世紀の歴史」
フランスのサルコジ大統領はこの本を読み感銘を受け「アタリ政策委員会」を設立して、フランスの変革の提言を依頼しています。


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銀行銀行家、金融アナリスト、民間の投資家たちは情報や資本を持ち、市場を支配しています。
彼らが資金調達する企業や資金管理を受け持つ世帯や機関に対しても不誠実になる。
見つけた儲けのチャンスは、すべて自らの利益ためだけにしか、利用しなくなる。
ブームが長続きしないことを悟った彼らは、その分自らの取り分をされに増やした。
リスクが増大するにつれ、そして危機が迫るにつれ、その取り分を増加させた。
彼らの特権と不誠実さが金融危機の大きな要因となっています。



地球でも、世界も同じです。
世界の銀行システムを救済するために、金融危機後の1か月で4兆ドルが投入されました。
ところが、これまでに、世界の飢餓撲滅、アマゾンの森林保護、貧困層へのマイクロ・クレジット(6億の貧困世帯に最も有効に資金を利用させることができる)の資金としては、毎年0.02兆ドルの予算さえ確保されたことがないのです。




鐘著者が、この意思も目的も道徳的配慮などいっさいを持たない金融システムに警鐘をならしています。
忘却されがちな、4つのシンプルな真理

①われわれ各自が、社会的制限なく身勝手に行動すると、自らの利益だけを追給しはじめ、その果てに自らの子孫の利益さえもう奪い取ってしまう。

②他者の幸せは自らの利益でもあることに、われわれ各自が気づいてこそ、人類は生き延びることができる。

③いかなる種類の仕事であれ、労働(とくに利他的主義に根ざした労働)だけが、富を得ることを正当化できる。

④唯一、本当に希少なものとは"時間”である。人々の自由時間を増やし、人々に充実感をもたらす活動に対しては、とくに大きな報酬がもたらされるべきである。

今回の危機をきっかけにして、こうしたあたりまえの真理が社会全体で再認識されたら、あたらしい秩序ができるのではないでしょうか。
そうすれば、経済や金融が絶対ではなく、「景気」は一つの社会の構成要素であるとみんなが思う社会になると思います。


虎「景気」のために、みんな生きているわけじゃないでしょう。




目次

日本語版序文――日本経済は“危機”から脱出できるのか?
序文――金融危機後、世界はどうなるのか?
第1章 資本主義の歴史は、金融危機の歴史である
第2章 史上初の世界金融危機は、こうして勃発した
第3章 資本主義が消滅しそうになった日
第4章 金融危機後の世界―世界は大恐慌へ突入するのか?
第5章 なぜ金融危機は起こったのか?
第6章 金融資本主義への処方箋―緊急プログラム
第7章 “21世紀の歴史”と金融危機




21世紀の歴史――未来の人類から見た世界/ジャック・アタリ

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