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人間はすきなことをしていいとなったら、
たいていはお互いを真似しだす。
――― エリック・ホッファー
自分でボールを蹴ったときにも、
ボールが蹴られるのを見たときにも、
ボールが蹴られる音を聞いたときにも、
果ては「蹴る」という単語を発したり聞いたりしただけでも、
すべて同じように脳の特定の細胞が発火します。
この細胞をミラーニューロンと呼びます。
この単純な事実が、驚嘆すべき結果と、新たな理解をもたらすことになるのです。
他人のしていること、考えていること、感じていることがどうしてわかるのでしょうか?
ミラーニューロンという特殊な細胞のおかげで、他人をきわめて微妙なところまで機敏に理解することができるのです。
本書は、この特殊な脳細胞群の思いがけない画期的な発見について、
ここ10年ほどのわずかな期間でなされたこの分野の驚くべき進展について書かれています。
ミラーニューロンは、他者の行動を自分の脳内で「鏡」のように映し出す脳細胞なのです。
このニューロンは他者の「行動」だけでなく、その行動の「意図」までも識別できることがわかってきたのです。
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■ミラーニューロンの3つの機能
① 感情
② 予測
③ 共感
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○感情
私たちは顔の歪みを見ているのではなく、相手が歓喜や悲嘆や退屈を感じているのだと推論している。ある顔が悲しげである、晴れやかである、飽き飽きしていると、即座にそれを描写する。
○予測
ミラーニューロンの仲介により、他人の意図を理解し、ひいては他人の未来の行動を予測することができる。・・・・・
自己と他者との相互依存は、人々のあいだの社会的相互作用を形成する。その相互作用の中での自己と他者との実際の出会いから、両者を深く結びつける実在的な意味の共有が生じるのである。
○共感
私たちのミラーニューロンは私たちを他者に深く関与させる。
人間同士の最も深いかかわり方、最も深い理解の仕方を、ミラーニューロンは示している。
私たちは生まれつき共感を得るようにできており、だからこそ社会を形成して、そこをさらに棲みよい場所に変えていくことができるのだ。
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どうやって暴力を減らし、
戦争を減らし、
共感を育て、
人類が共存できるのか、
それらを実現するために、ミラーニューロンはとても重要な助けとなります。
ミラーニューロンが、人間の社会性の根本を形成しているからです。
ミラーニューロンの発見は生物学におけるDNAの発見と
同様のことを神経科学の分野になすだろうと断言した研究者もいます。
ミラーニューロンは人間を理解する上でとても重要です。
私は他人の表情の中に生きており、
同時に、相手がわたしの中に生きているのを感じる。
――― メルロ=ポンティ
目次
第1章 サルの「猿真似」
第2章 サイモン・セッズ
第3章 言葉をつかみとる
第4章 私を見て、私を感じて
第5章 自分に向きあう
第6章 壊れた鏡
第7章 スーパーミラーとワイヤーの効用
第8章 悪玉と卑劣漢―暴力と薬物中毒
第9章 好みのミラーリング
第10章 ニューロポリティクス
第11章 実存主義神経科学と社会