ヘリコプター全史 書評 「機械仕掛けの神」 | フォトリーディング読書感想文

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機械仕掛けの神―ヘリコプター全史/ジェイムズ・R. チャイルズ

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著者: ジェイムズ・R・チャイルズ
出版社:早川書房   
価格: 2300円
発売日:2009年1月20日

☆☆☆☆☆ わかりやすさ(考えながら読まないと)
☆☆☆☆☆ 詳しさ(歴史と構造、仕様が詳細に説明されている)
☆☆☆☆☆ 読み応え(分厚い)


ダヴィンチのスケッチに登場したヘリコプター。
基本原理が完成し、最初のぜんまい式の模型が飛行をしたあと、
人間が乗るヘリコプターが飛ぶまで140年かかった。

多くの難関を越えて行ったエピソードが満載である。



ヘリコプターが空に飛び上がるための最も大きな3つの難関

1) 強力であまり重過ぎない動力が必要。
   
  ⇒内燃機関の発明とその後にガスタービンエンジンを発明した。

2)思いローター(プロペラ)が回転すると、機体はその反対に回ってしまう。
進むはずの方向に進まない。その「トルク」と呼ばれる動きを抑えることが必要。

  ⇒同軸反転ローター(回転軸)、尾部ローターでバランスを取った。
  ※下図参照

3) 低速で機体を傾けて旋回すると、失速を起こし、墜落する。
  失速してもふんわりと着地出来るようにすること必要。

 ⇒風車の羽が回りながらかすかに羽ばたいていることに気づいた。
ブレード(プロペラ)を羽ばたかせる仕組みを作り、回転翼機に空中で自由な動きをもたらし、飛行性に劇的に向上した。
(模型だと墜落しないのは、そのブレードはたわみやすい籐の薄板で出来ていたからであったからであった)


   
フォトリーディング 3ポイント読書感想文


ヘリコプターは皮肉にも朝鮮戦争、ベトナム戦争により大きな需要が生まれた
給油物資を届ける使い道を大幅に広げ、発展をもたらした。
世界を見る角度を変え、人間の冒険する範囲を広げた
また、自然界に挑戦する人間は、ヘリコプターに頼るようになる。
そして、人命救助の数は200万人に達している。


飛び始めた頃のヘリコプターの未来像は、数百万世帯が所有する、今の自動車のように大衆化するであろうと思われていた。
しかし、そうはならなかった。現代のパワフルな高性能ヘリコプターは、偉大な仕事をこなしているが、運用コストはすこぶる高い。
それに、パイロットによる高い技術と冷静な判断力が必要である。

鳥や翼のある鳥類や昆虫は数あれど、ホバリング(空中停止飛行)でき、前進も後退も出来る飛び方が出来るものはめったにいない。


飛行機の陰に隠れて目立たない存在であるが、飛行機よりももっと奥深い。

ヘリコプターは信じがたい「機械仕掛けの神」であると言える。



目次
 序 「鳥たちが歌うわけ」
第1章  飛行前
第2章  イカリア海
第3章  新しい自然の力
第4章  ブレークアウト
第5章  空の自動車
第6章  スーツケースのなかのジュール・ヴェルヌ
第7章  空をいっぱいにする
第8章  競争
第9章  地形の艱難
第10章 チョッパー作戦
第11章 最後のひとり
第12章 実社会に復帰する
第13章 神々の戦車
第14章 私を見張るもの
第15章 グレイト・スティック(操縦の達人)
第16章 結び