読書記録を調べてみました。(私は日記の類いを書いたことすらないのですが、読書記録だけは1983年から続いています。書名と著者、出版社と月日だけですが…。)
初めて読んだのは高校生のとき、書名は『狼男だよ』。1984年5月6日から7日にかけて読了。その年のうちに7冊。’85に5冊。’86に2冊。ほとんどが『ウルフガイ・シリーズ』と『アダルト・ウルフガイ・シリーズ』。『幻魔大戦』は20冊もあって、しかも未完。手を出せませんでした。’87に4冊。その後は、記録にありません。最後に読んだのが『タイガーウーマン 狼のレクイエム第三部4』。続きはどうなったのだろう?同様な読書体験をした人、結構いるのではありませんか?
『狼男だよ』本棚に残っていました。もう読むしかありませんね。
カバー画 加藤直之
平井さんには「犬神明」という同じ名前の主人公が活躍する2つのシリーズ『ウルフガイ・シリーズ』と『アダルト・ウルフガイ・シリーズ』があって、本書は『アダルト』の方の第一作です。主人公の名前は同じですが、2つのシリーズに関連はありません(…と思う。)共通点はどちらの「犬神明」も狼男であること。
30年ぶりの『狼男だよ』読み終わりました。ストーリーはなんとなく覚えていましたが、それでも十分面白い。1969年の作なのでよくわからない時事ネタもありましたが、現在でも通用する作品です。平井さんの作品をさらに17作も読んだのも納得です。特に主人公の軽口が楽しくて、私が後にハードボイルドや私立探偵小説を好むようになったのはこの作品の影響ですね。その後も影響は衰えず、軽口を叩くおじさんになりましたとさ!めでたし、めでたし。
好きな一節
「地獄図絵はそのオリジンをすべて古代中国に持っている。偉大な文化国家だったのだね。」
「わかってるよ。マージャンを発明した民族だからな。」
超人的な(…というか超人の)主人公が活躍しますが、各エピソードがとてもせつない結末。この小説を高校生のときに読めたことは幸せなことでした。
平井和正さんの御冥福をお祈りします。