<パウター物語 最終回> | ダニエル・パウター オフィシャルブログ Powered by Ameba

<パウター物語 最終回>

2006年2月には、ついにアメリカでもシングル「バッド・デイ」がリリース。

人気TV「アメリカン・アイドル」の中で、落選者の回想シーンのBGMに使われることなどで、大ヒットを記録。

なんとシングル・チャートの1位となった。

この1位はカナダ人の男性シンガーとして、ブライアン・アダムスの「ハヴ・ユー・エヴァー・リアリー・ラヴド・ア・ウーマン」が1995年に1位を獲得して以来の記録である。

日本でも「バッド・デイ」は大ヒットを記録、2006年3月の初来日以来、度重なるプロモーション来日とコンサート来日により、アルバム・セールスは80万枚を突破した。
彼が愛するミュージシャンはプリンス、ニック・ドレイク、スティービー・ワンダー他モータウンのアーティスト、ビートルズなど。

「僕はただ、歌のしもべでしかないんだ。歌のためにピアノも演奏する。でも僕が一番興味あるのは“創造”すること。どうやったら理想の音を得られるか、どこにマイクを置いたら一番響きがいいか。そういうことに一番惹かれるんだ。別に世界一のピアノ・プレイヤーにならなくたっていい。だってそれは、僕がやりたいことに何の関係もないもの。曲を書くためにピアノを弾く。いい曲を書きたいとはいつも思ってるけど、いいプレイヤーになりたいと思うことはないよ。すべては曲のためだから」
彼のトレードマークの帽子に関しても、「僕は基本的にシャイな人間なんだ。あと、これはカナダ人の特徴なのかもしれないけど、少しだけ、自分で自分を卑下するような傾向がある。だから、キャップは自分を少し隠すような効果があって、なんだか安心するんだ。一種の“お守り”みたいなものかな」と語る。
ダニエル・パウターが暇な時間を見つけてすること。

それはストリート・ミュージシャンを見ること。

彼は来日中、いつも時間を見つけては、心斎橋や代々木の通りで、プレイするストリート・ミュージシャンを見つめていた。熱心に彼らの演奏を見つめ、声援をおくる。

かつての自分にまるで、エールをおくるように。

2008年3月には、日本人シンガー、HARUの楽曲「FIND MY WAY」にも、ゲスト・ヴォーカリストとして参加した。

かつてストリート・ミュージシャンであったHARUをサポートするのはダニエルにとって、うれしいことであったに違いない。
また、彼は長年、ドラッグやアルコールに苦しめられていたことも、さまざまなインタビューで告白している。

彼が一番誇りにしているのは、自分がそれらを乗り越えたことなのだという。

そして、音楽があるからこそ、乗り越えられたんだとも語っている。
「音楽とはエスケープだね。音楽に接してる間は他に何も考えなくていい。テレビでCNNを見て暗くならなくていい。現実逃避の手段だね。魔法のドアと考えてもいいかな。そこを明けると別世界が待ち受けているんだ。昔はその手段がドラッグだったんだけど、今は音楽だ!(笑)」
さまざまな困難や自らの内なる戦いを克服したダニエルだからこそ、世界中を癒し、励ます音楽を書くことが出来るのだ。