1.目的はそれぞれ。
日本国外においても、日本語を幼児から学ぶ子どもたちは、それぞれ環境が異なります。
たとえば、日本人駐在員の子どもの場合、両親とも日本人で数年後に日本に帰国する予定があったりします。または国際結婚で片方が日本人で継承語として日本語を学ぶ場合など、家庭によって日本語を学ぶ目的、環境は様々です。
まずは目的や環境がそれぞれ異なるということを理解した上で、指導者と保護者が協力し合うことがとても大切になってきます。
2.自分たちが受けてきた日本語教育とは異なる。
その上で、ほとんどの指導者と保護者は日本で生まれ、日本で教育を受けてきた方々です。自分たちが日本で受けてきた母語話者用の国語教育と、日本語と現地の言葉の二言語を使用するという環境で育つ子どもたちへの日本語教育は異なるということも、理解しておかなければいけません。
3.バランスが大事。
将来、親子のコミュニケーションツールをなくさないためにも、継承言語である日本語を子どもに習得させるのはとても重要なことです。例えば国際結婚して海外在住、一方が日本人の母親で、現地の言語が会話程度できても、心の思いを伝えあうまでは理解できない場合、将来子どもが大きくなってから、心が通じ合えなくなってしまう場合があります。
ですが、その一方で現地の言語は子どもが学校に通って友達とコミュニケーションをとったり、授業を理解したりする上で最も大切な言語となってきます。現地の幼稚園や学校に通い始めると、日本語で話しかけても現地の言葉で返してくる場合が多くなります。
親子のコミュニケーションを保つためには日本語を継承言語として保つことも大事ですが、それと同時に子どもの立場に立って、現地の言語も彼らの生活基盤として最重要言語になるということも親は理解した上で、指導者と保護者はその子に合った日本語教育のサポートをバランスよくしていくことが大切になります。
4.幼児発達を理解する。
学生や大人に日本語を指導する一般の日本語教師とは異なり、「幼児日本語教師」には、子どもの様々な発達過程を理解して指導する必要性が出てきます。なぜなら対象となる子どもは、言語発達のみならず、運動の発達、知覚の発達、視覚の発達、認知の発達、社会的行動の発達など、様々な分野において未発達だからです。
それらを理解した上で、適切な時期に適切な指導を行わないと、逆に日本語嫌いにしてしまったり、効果がなかったりして、長距離走になる日本語指導に親が先に疲れてしまうことも考えられます。ですので、それらの発達心理や発達過程を理解した指導者と保護者が連携して、その時の子どもに合った日本語教育を適切な方法でアプローチしていくことが、非常に大切になってきます。
