1,他の子との関わり合い
幼児クラスになると、他人との関わり合いがもてるようになるため、指導者とのかかわりや、子供同士でのコミュニケーションの中で様々な刺激を日本語で受けることができます。お互いに刺激をし合いながら日本語を学べるという環境が子どもの動機づくりに役立ちます。
小学生になれば、ペアワークやグループワークなどで一緒に課題に取り組むことで、一緒に課題をクリアするにはどうしたらよいかという思考力も育めます。
2.子供中心主義アプローチ
学習というのは、他人に無理やりやらされても効果がありません。自分の興味のあるものをもっと知りたい、日本語が話せるようになりたいという欲求から成長が見られます。お教室ではそんな子どものやる気を掻き立てるようなテーマを中心に取り上げ、「日本語って楽しい!」と思ってもらえる環境づくりを指導者と保護者で一緒に作っていくことを目標にしています。
私たちは成長していく上で、「日本語を話さなければならない」と学ばされて話せるようになったという経験がある人は少ないだろうと思います。日常生活の中で自然と言葉を覚え、使えるようになってきた人がほとんどです。なので、日本語ということだけを日常から切り離して指導すれば、子どもたちに日本語というストレスを与えかねません。
3.少数民族も共存できる社会、コミュニティづくり
海外に出れば、日本語は少数民族。日本語は少数民族の言語として他民族の言語に飲み込まれてしまいがちです。ですが、少数民族の言語を価値あるものとして尊重し、子どもたちをバイリンガルやバイカルチュラルに育てていくことが、これからの未来への課題となります。
そのためには、よりよいコミュニティを作ることが大切です。家庭における継承言語教育はどうしても孤独で孤立しがちです。子どもが就学したとたん、せっかく積み上げてきた家庭の継承言語がかき消されてしまってはもったいない。
ですが、家庭以外でも子どもが日本語を使う機会が持てれば、家族以外の人ともコミュニケーションをとることができ、より日本語を運用できるレベルに引き上げることが可能になります。
日本人に特化した育児サークルや日本人コミュニティといわず、幼児日本語教育のできるコミュニティを作り、その活動の中で子ども同士が日本語でコミュニケーションをとれる環境を作り出すことが大切です。
そうすることで、少数民族と多数民族が互いに尊重しあい、共存できる社会を作ることへの貢献にもなるでしょう。まずはできるだけ偏見や偏りのない未習熟の子どもたちから始めていくことが大切だと考えられます。
子どもに日本語を学ばせたいという同じ目的を持った保護者が集まり、それぞれの育児の悩みも相談しながら、お互い助け合いながら子どもたちを一緒に育てていく。
4.2つの言語と文化を持つことは、最高の贈り物。
就学後は、主要言語で学んでいる学業にも追われ、第二言語をストレスと感じてしまうことがあるため、できれば早期から日本語に親しみ、自然な流れで日本語に親しみながら基礎を築くことで、日本語へのストレスや嫌悪感を抱かせず、子供同士が意識せず日本語を使える環境が提供できるのが理想です。
日本語を言語とだけとらえて指導するのではなく、コミュニケーションとして生きた言語として扱うこと。世界中にたくさんある文化のうちの一つが日本文化であり、日本人もその中の一つであるということ。
子どもたちが父親の言語と母親の言語と文化、2つの言語と文化を持つことを誇りに思い成長していけるように、保護者と協力し合いながら取り組んでいくことが大切になります。
そもそも日本語が使われていない国で日本語を学習するということは、子どもにとって理解しがたいことです。なので様々な工夫が必要になることは間違いありません。日本語という言語にとらわれすぎてしまうと、ついつい読み書きには走りがちではあります。ですが日本に住んでいる子どもに追いつかなくてはというスタンスではなく、子どもが楽しみながら、無理なく自然な流れで、日本に興味を持ってもらうことが最も大事なことだと言えるでしょう。
そのためには子どもの発達段階を理解し適切な時期に、子どものレベルに合った適切なアプローチができるように家庭と連携を取り、よりよいコミュニティの中で、楽しくみんなと子育てをしながら日本語の基礎を築いていけるよう努めてまいります。
