搭乗後、機内に流れるアナウンス──「当機は間もなく離陸します。
お手持ちの携帯電話の電源は必ずお切りください」。
その後は、客室乗務員がキャビンをひととおり歩いてチェックします。
が、目の前をCAが通り過ぎると、
バッグかポケットからこそこそ携帯を取り出して使い始める人が少なくありません。
なかには、堂々とメールを打ち続けている人も!
それ、違法なんじゃないの? きっとそう思いながら見ている人もいるでしょう。
「もちろん、れっきとした犯罪行為ですよ」と言うのは、
航空評論家の秀島一生さんです。
「乗客のマナーの悪さは、相変わらず目に余りますね。
機内で携帯を使うことで、航空機の運航にどんな影響を与えるのか。
事の重大さに対する認識がまったくできていない。
結局は飛行機に乗っている自分たちの安全を脅かすことになるんだということに、
どうして考えが及ばないのでしょうか」
たかが携帯電話ぐらい、と思うのでしょう。
しかし、航空機の計器類や自動操縦システムは、
ほとんど電波だけを頼りに動いています。
携帯電話も立派な電波発信機で、
そこから発信される電波は飛行機が受信すべき電波を妨害してしまう。
フライト中にコクピット内の計器がいきなり狂い始め、
携帯を使用していた乗客をつきとめて電源を切らせたら
狂っていた針がピタリと正常に戻る──そんなことが現実に起こっているのです。
日本の航空界では、2004年1月15日に「改正航空法」が施行されました。
そこには「機長の命令に従わない迷惑行為者には
50万円以下の罰金を課す」という厳しい内容が盛り込まれています。
この法改正以後は、トイレでの喫煙、ドアの勝手な操作、携帯電話の使用、
乗務員の保安業務に支障をきたすようなセクハラや暴力などについては厳しく罰せられるようになった
──はずなのです。
ところが、機内で明らかに迷惑行為を犯している乗客がいても、
乗務員は「見て見ぬ」ふり。そんな光景にときどき出会うことがあります。
これは、どういうことなのでしょうか?