こちらは、1966年5月のオランピア劇場公演の「ライヴ録音」から。

この公演にて発表された曲のひとつです。

 

 

このCDの「再販」が、本当に「強く」、望まれます...。

 

 

残念ながら、この曲は収録されてはいませんが、「文庫版」の「大全集」が発売されています。

 

 

 

 

この曲の「詞」を書いている、ピエール・ルーキ(1920-2006)も、自身で歌っています(「曲」はジャン・ベルナールが書いています)。

 

 

 

 

 

これまでの記事

 

 

 

さて...

 

 

来たる9月23日は、フランスを代表する偉大な歌手、ジュリエット・グレコ(1927-2020)の「命日」となりますが、現在ではもう、あまり知られてはいないであろう、「隠れた名曲」...

 

 

それでも、「珠玉の名曲」を紹介してみたいと思います。

 

 

今回紹介する曲、「les cimetires militaires "軍人墓地にて"」(1966)は、1966年5月に行なわれた、オランピア劇場での公演にて発表された作品のひとつとなりますが、そのCD(レコード)の「全曲紹介」という形で、一昨年(2021年)の「命日」の記事としてすでに上げてもいます。

 

 

そう、「こちら」ですね....(2021年9月22日付け)。

 

 

 

この曲の詞を書いているピエール・ルーキ(1920-2006, 本名「ピエール・ヴァレンヌ」)は、「小説家」であり、「劇作家」であり、「歌手」であり、また、「俳優」でもある方ですが、「教師」であった父、ジョルジュ・ヴァレンヌ(1896-1942)が「ナチス・ドイツの犠牲者」でもあったことから、「占領下」では、「レジスタンス」として活動していたそうです。

 

 

1950年代前半に、「俳優」としてデビューしたピエール・ルーキでしたが、その後、1957年に(1954年とも)、リュセット・ライヤ(1929-)が、「la mome aux boutons "ボタンを持つ子ども"」(曲:ジャック・ラコム)を歌ってヒットしたことから、その「作詞家」として有名になり、以降、「作詞家兼歌手」として、多くの名作を世に送り出しています。

 

 

この曲、「la mome aux boutons "ボタンを持つ子ども"」は、翌1958年、リュセット・ライヤ自身が出演した、同名映画の「主題歌」ともなったようです。

 

 

ピエール・ルーキ自身も歌っています。

 

こちらは、1999年の「ライヴ録音」ということですが、まだまだしっかりとした歌唱です。

 

 

 

 

また、日本では、ほとんど知られていないと思いますが、ピエール・ルーキは、ジョルジュ・ブラッサンス(1921-81)の「親友のひとり」でもあり、1976年には、ブラッサンスと共同で、アルバム、「le coeur a l'automne "秋の心"」を作り、「発表」しています。

 

 

「mes copains "仲間たち"」(上は、「1977年11月19日」の映像とあります)。

 

「sur l'arbre mort "枯れ木の上で"(仮)」。

 

「le coeur a l'automne "秋の心"」。

 

 

 

ピエール・ルーキはこの他、「時計職人」としても働いていたということですから、ますます「驚き」でもありますが、そうした「職人気質」のようなところが、彼の書く「詞」や、その「歌」に、表れているような感じも受けますね。

 

 

今回の曲、「les cimetieres militaires "軍人墓地にて"」は、グレコに捧げられた1曲で、「戦中派」らしい言葉遣いとの印象を受けつつも、「未来」を見据えて書かれているように思えてなりません。

 

 

以下に、その歌詞を、載せておくことにいたしましょう。

 

 

 

ありがとうございました。

 

 

それではまた...。

 

 

............................................................................................................

 

les cimetieres militaires  軍人墓地にて

 

les cimetieres militaires

pardon Monsieur le surveillant

les cimetieres - pourquoi le taire? -

militaires sont accueillants

quels que soient le vent, les nuages

les fleurs y poussent fraiches toujours

poussent dessus la fleur de l'age

la fleur de l'age des tambours

 

軍人墓地にて

守衛の方、すみません

どうしてこんなに静かなのですか

兵士たちはみな、歓迎していますよ

風が吹こうと、雲があろうと

そこに育つ花はいつも新鮮で

時代の花の上に咲いています

軍太鼓の時代の花の上にね

 

(*)les cimetires militaires

pardon Monsieur le lieutenant

les cimetieres - pourquoi le taire? -

militaires sont avenants

les allees sont larges et sures

on y trouve silence et paix

la gazon y est sans blessure

et la visite a peu de frais(*)

 

(*)軍人墓地にて

中尉さん、すみません

どうしてこんなに静かなのですか

兵士たちはみな、愛想よくしていますよ

道は広く安全で

静寂と平安を感じられることでしょう

芝には傷みもなく

気軽に訪れることが出来るでしょう(*)

 

les cimetieres militaires

pardon Monsieur le combattant

les cimetieres - pourquoi le taire? -

militaires sont deroutants

et le vieux gardien qui arrose

les roses vivant a ses pieds

dit que ca n'est pas toujours rose

que de vivre au pied des troupiers

 

軍人墓地にて

兵隊さん、すみません

どうしてこんなに静かなのですか

兵士たちはみな、途方に暮れているのです

そして、足もとのバラに

水をやる老衛兵は言います

いつもバラ色であるとは限りませんよ

兵隊たちの足もとで生きることが

 

les cimetieres militaires

pardon Monsieur le revenant

les cimetieres - pourquoi le taire? -

militaires sont inconvenants

on dira que je suis coupable

on me trainera dans la boue

de la Normandie en Champagne

mais tant pis, j'irai jusqu'au bout

 

軍人墓地にて

幽霊さん、すみません

どうしてこんなに静かなのですか

兵士たちはみな、厚かましいのです

彼らは、私に非があると言うことでしょう

そして私を、泥の中に引きずり込むことでしょう

ノルマンディーからシャンパーニュまで

でも仕方がない、私は最後まで行くつもりです

 

les cimetieres militaires

pardon Messieurs les braves gens

dessous leur terre cachent mes freres

braves gens soyez indulgents...

 

軍人墓地にて

お許しください、善良な(勇敢な)人々よ

私の兄弟たちを、彼らの土の下にかくまってください

善良な(勇敢な)人々よ、どうかお許しを...

 

 

 

(*)この節は、ジュリエット・グレコは歌っていません。

 

 

(daniel-b=フランス専門)