「予告編」です。

こちらは、「ナビゲーション」番組です。

「Blu-rayスペシャル・エディション」に収録の、「特典映像」の一部が公開されました。

http://mirai-no-mirai.jp/(映画公式サイト)

https://promo.kadokawa.co.jp/mirai-no-mirai/(角川書店特設サイト)

 

さて、少し遅れましたが、昨年7月20日に公開された映画、「未来のミライ」のBlu-ray & DVDが、1月23日、ついに発売となりました!!

 

今回、この作品で描かれたのは、とても「リアル」な、「家族の姿」だと言えます。

 

細田守監督(1967-)も話されていますが、「4歳の男の子」を「主人公」とした映画は、「世界的にも珍しい」ということで、そういった「(独創的な)視点」からも、この作品は「評価」されるべきだと思います。

 

「甘えん坊(と言うより、「甘えたい盛り」)」の小さな男の子が、ある日「突然」やって来た「赤ちゃん(妹)」に、「両親の愛」を「独り占め」されてしまう...。その上、両親は「仕事」で忙しくて、ほとんどかまってもらえなくなる...。

 

この男の子、「くんちゃん」(CV:上白石萌歌)の「反応」は、ごく「自然」のものだと思います。「どこにでもいる」、「普通」の子どもの姿であり、とても「リアル」です。このような「小さな子」に、「分別」を求める方が「無理」というものでしょう...。

 

物語は、このくんちゃんが、「自宅の中庭」を通して経験する、「不思議な出会い」、「不思議な出来事」によって進んでいきます。その描き方は、大変「興味深かった」と言えます。

 

その「不思議な中庭」で、くんちゃんが最初に出会うのが、「かつてはこの家の王子だった」と名乗る「謎の男」(CV:吉原光夫)でした。

 

「ぶっちゃけて」しまえば、その男は、「人間の姿」となって現われた、この家の飼い犬「ゆっこ」だったのですが、その「やりとり」からしてまた「ケッサク」でした。最終的には、くんちゃんが、ゆっこのしっぽを引っこ抜いて自分につけたことで「犬」に変身してしまいましたが、その、「無邪気に吠えながら」、庭や室内を駆け巡る姿がとても印象に残りましたね。実際、くんちゃん役の上白石萌歌さん(2000-)は、当初、「ミライ(未来)」役でオーディションを受けたそうですが、試しに「くんちゃん」役でも受けてみたところ、その「泣いている声」も、「犬の鳴きマネ」も、とても「上手」だったことから、「くんちゃん」に決まったということです。これは「分かり」ますね。

 

続いて出会ったのが、まさしく「未来」からやって来た、「未来のミライ」だったのですが、「年齢」が、大幅に「逆転」している状態ですから、とても「不思議な感覚」であることには違いがなく、演じられた黒木華さん(くろきはる)(1990-)も「大変」だったのではないかと思いました。

 

「未来のミライ」が実際に存在している時代には、「ゆっこ」はもう「存在していないはず(?)」だと思いますが、その「ミライ」と「ゆっこ」のコンビもまた楽しかったですね。「ひな人形」のくだりは、くんちゃんともども、「絵的」にも、大変「面白い」と感じました。

 

次に出会うのが、何と「幼少期の母」なのですが、なんとまあ...、「親子そっくり」なこと...。それも、母の方が、さらに「タチが悪い」かも知れません...(笑)。しかし、「現在」に戻ると、「母親らしさ」を「再認識」させてくれる場面ともなります。また、くんちゃんが夜中に目を覚まし、「寝ぼけ」ながらも、涙を浮かべながら眠っている母親の頭を「なでなで」する場面は、このエピソードの「最初の場面」とリンクしていて、とても「微笑ましく」感じました。

 

「初めての自転車」のくだりで出会う「青年」が実は...。なのですが、このシーンも、非常に「印象」に残りました。

 

これらの「出会い」は、大変多くの「示唆」に富んでおり、くんちゃんの「成長」にも大きくかかわってくるほか、この作品を通して、監督が私たちに「伝えたい」、「メッセージ」みたいなものも、感じることが出来ると思います。何かにつけ「手がかかる」くんちゃんではありますが、確かに、(ゆっくりとでも)「成長」していく姿が描かれていますから、見終わった時には、「すがすがしい気持ち」にもなれるのです。

 

近年では、どの「アニメ作品」でも、その「美術の素晴らしさ」が光っており、それが「リアル」であればあるほど、「実写映画」では「難しい」ことも、「実写さながら」に描き出すことが出来るようになったのではないかと思います。

 

くんちゃんの住む家も、クライマックスで出て来る「(謎の)黒い新幹線」も、「本職のデザイナー」が、そのデザインを手がけているということで、本当に、その「こだわり」には「頭が下がる思い」だと言えます。

 

実は、「くんちゃんの住む家」に関しては、「バリアフリー」という点では「まったくダメ」だと、「ツッコミ」ながら見ていました(小さな子どももいるし、親も訪ねて来るのに...)。今でも、その考えは変わりませんが、「坂」をイメージしたものだということで、その「コンセプト」は、一応は「理解」したつもりではあります...(←「納得」はしていない...笑)。

 

くんちゃんは「鉄道好き」という「分かりやすい子ども」でもありますが、「クライマックス」での、あの「黒い新幹線」は、くんちゃんならずとも、「トラウマ」になってしまいそうな車両でしたねー。私も「ゴメン」です。「あんな車両」に乗るのは...。ちょっと「コワイ」シーンでしたので、小さなお子さんには、ひょっとすると「刺激が強過ぎた」かも知れないのではないかと、少し「不安」に思いました。

 

あと...、「ツッコミどころ」と言えば、「ハチゲーム」!!

思わず「ヘンタイかよ!!」(笑)とツッコんでしまいましたが、さて、みなさんはどう思われるか...。

 

まあ、そういった点はあるにしても、「全体的な流れ」で言えば、やはり「秀作」だと思いました。

 

「過去」から「現在」、そして「未来」に至るまで、すべてが「つながっている」、そうしたことの「尊さ」をあらためて感じた映画でした。

 

くんちゃんは「ちょっと好きくない」と、劇中のセリフに倣ってそう思ってもいましたが、今では、「愛すべきキャラクター」とも言えますかね...(「ちょいワル」っぽい、高校生のくんちゃんが、意外と「筋が通って」いたりなんかして...)。いずれにせよ、くんちゃんが「上白石萌歌さん」だったこと自体が、「ちょっとした奇跡」だったのかも知れません。

 

本当に、「いろいろな発見」がある映画だと思います。

みなさんも、ぜひ、ご覧になってみてはいかがでしょうか。

 

追記:本作は、第91回アカデミー賞「長編アニメーション映画賞」に「ノミネート」されたということです!!

 

それではまた...。

 

 

 

 

 

 

(daniel-b=フランス専門)