http://hitsuji-hagane-movie.com/(映画公式サイト)
http://bunshun.jp/articles/-/7736(上白石姉妹のインタビュー)
http://bunshun.jp/articles/-/7460(対談 三浦友和×宮下奈都)
昨日(水曜日)、ようやく、この映画を見ることが出来ました!!
8日金曜日の公開でしたが、日曜は「雨」の予報が出ていたため行くことを見送りました(結局、天気は「持ち」ましたが...)。
「恋は雨上がりのように」(5月25日公開)、「OVER DRIVE」(1日公開)と、「見たい映画」が「立て続け」に公開となり、スケジュール調整も「厳しい」中ではありましたが、この作品も、「どうしても見たい」1本でした。
このタイトルは、プロの方が聞くと、すぐ「ピアノのこと」だとわかるそうですが(「羊」の毛で作られたハンマーが、「鋼」の弦をたたくところから)、今回の作品は、ピアノに魅せられ、「調律師」となった主人公が、その「仕事」を通じて、「悩み」、「苦しみ」ながらも「成長」していく物語です。
原作は、一昨年(2016年)、「第13回 本屋大賞」を受賞していますが、発表されたのはその前の年のことで、「直木賞」にもノミネートされるなど、安定して評価の高い「名作」だと言えます。
ご存知の方も多いかと思いますが、原作者の宮下奈都さん(1967-)は、福井県福井市の出身で、現在も「在住」だということです。
映画の舞台ともなった「北海道」に、1年間、家族と一緒に「山村留学」をしたという経験や、自身も、「ピアノを調律してもらったことがある」、ということなどから、この作品の着想を得たようですが、決して、「特別な世界の話」というだけのことではなく、「一般社会」で暮らす私たちにとっても、大変「共感」出来る内容となっています。
私は、これまで、恥ずかしながら、「原作」を読んだことがなかったので、これまでに見た「予告編」だけを頼りに、特に「予習」することなく、「ぶっつけ本番」で今回も臨みました(劇場は、今回も「アレックスシネマ鯖江」です)。
「地元出身」の作家による「大ヒット作」(「100万部突破」)の「待望の映画化」ということで、「チラシ」も何度か「品切れ」となるなど、事前から、来館客の「注目度」「期待度」も「高い」作品でした。私は、初回の「9時15分の回」に入りましたが、「平日」の、こんな早い時間にもかかわらず、女性を中心に多くの客が入場していました(「シネマ4」。水曜日は、「レディース・デー」です)。
画面は「薄暗い」ままオープニングとなりますが、それは、「主人公」のその時の「心情」を、そのまま表しているのだとも思いました。
高校2年生の外村(とむら)は、ただその時「教室に残っていたから」という理由だけで、「職員会議に出る」という担任から、「来校客の案内」を頼まれるのですが、それが、「運命の出会い」でした。
「森の匂いがした...」
来客は、ピアノの「調律師」でした。外村は、最初は興味なさそうにその場を離れようとしましたが、その調律師が、音を鳴らすのを聴くと、自然に引き返していました。
この冒頭の場面は、監督が特に「大事にした」ということで、あらゆる面で「こだわり」が感じられます。
その主人公「外村」役には、まさに「同世代」の若手、山崎賢人さん(1994-)、対する、その「ベテラン調律師 板鳥(いたどり)」役には、「貫禄充分」の三浦友和さん(1952-)というキャスティングです。
最初に配役を見た時から、「豪華」で「スゴイ」と感じましたが、実際にこの作品を見てみると、どの方もまったく「矛盾」がなく、「役そのまま」といった感じがしました。
本当に、このような作品でもなければ、山崎さんと三浦さんが共演するなんてことはなかったでしょうから、その意味でも、「運命的な作品」であったかも知れません。また、実地で外村を指導する、「中堅社員 柳」役には、鈴木亮平さん(1983-)ですが、この方は、本当に、「何でも出来る」、「オールマイティ」な俳優だというイメージがありますね。今回も、「実に頼りがいのある先輩」というところが、そのままに感じられました。
その、「江藤楽器」の「顧客」である、「佐倉家」の姉妹、「和音(かずね)」、「由仁(ゆに)」の両役には、上白石萌音さん(1998-)、上白石萌歌さん(2000-)という、「実の姉妹」がキャスティングされていますが、2人は、これが「初共演」ということです。私としても、特に「注目」の2人でしたが、「期待以上」に素晴らしかったと思います。この2人を「中心」に、ストーリーが動いていくところがありますから、本当に、「彼女たちで良かった」、と思いました。
その他のキャストも、本当に見逃せない方たちばかりですが、特に「印象」に残ったのが、森永悠希さん(1996-)ですかね。彼は、両親を失ってしまった孤独な青年の役でしたが、外村が調律したピアノを弾いて、笑顔を取り戻しました。「全体」から見ると、「小さな」シーンかも知れませんが、「あの場面」が、私の印象には残りました。
吉行和子さんは、外村の「祖母役」で出演されていましたが、確か、「表情の演技」だけで、セリフは「一言もなかった」と思います。それでも、あの「存在感」。やはり、「大女優」だと思いました。
先にも書いたように、この物語は、「調律師」という、「特別な世界」の話だけにはとどまりません。ベテラン俳優に囲まれた山崎賢人さんは、本当に、「新人」といった「頼りなさ」も感じてしまいますが(失礼!)、「人生最大の失敗」をしたその日に、板鳥(三浦友和さん)からかけてもらった言葉、「きっと、ここから始まるんですよ」は、どんな世界にでも当てはまる「名言」だと思いました。
この作品には、ショパン(1810-49)や、ラヴェル(1875-1937)など、数多くのピアノ作品が登場し、それも注目する点だと思います。上白石萌音さんも、萌歌さんも、「半年」がかりで練習したということです(萌音さんは、過去に「少しだけ」、習っていたこともあるそうですが...)。
早くから「映画化」が言われていたにしては、これだけ「時間がかかった」のには、やはり、「理由」があったのですね。それだけ、「良いものを作りたい」という、キャスト、スタッフの「情熱」に他ならないと思いました。
久石譲さん(1950-)、辻井伸行さん(1988-)による、エンディングテーマも、「必聴」の名曲です。
「2回目」の上映は、これも「話題作」である、「万引き家族」(是枝裕和監督。「パルムドール」受賞作品)と同時刻となったこともあり、本当に、「平日」とは思えないくらいの入場客で、ロビーには「列」まで出来ていました。さすがに、続けてこれを見る「気力」はありませんでしたが、「日本映画」が「活況」ということは、本当に「素晴らしい」ことだと思いました。
「簡単」ではありますが、まずは、「感想」まで...。
それではまた...。
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(daniel-b=フランス専門)