「過去旅」について書いています。

 

昨年連載した、2008年の「第1回目」の「パリ&ブリュッセル」に続く、「第2回目」(2010年)の旅行記です。

以下に、前回の旅行記の「リスト」のページを貼っておきます(「今回分」も含みます)。

 

http://ameblo.jp/daniel-b/themeentrylist-10097133133.html

 

最初に、前回分までの「追加情報」と、ちょっとした「訂正」をここで入れておきたいと思います(ともに、「確認」が取れたもの)。

 

まず、6月17日付け「その4」からですが、「メトロ」に関しては、郊外、距離に関係なく、「全線均一料金」というのが「正しい」ようです。実際に「ゾーン2」(「パリ20区内」のすぐ外側)以遠へ出たことがないので、「分からない」ということもあるのですが、「メトロのみ」の利用であれば、「そのまま乗れる」と解釈して良いようです。ただし、この区間を「RER(高速郊外鉄道)」で移動する際は、「距離に応じた運賃」が必要となります。「均一料金」で乗車(下車)出来る駅は、「ゾーン1内」(「パリ20区内」)に限られ、これを越えてしまうと、「乗り越し精算」も出来ず、「罰金」の対象となってしまいます。他の「細かい規則」に関しても、「注意」が必要なものがいくつかありますので、「郊外」へ足を延ばす際には、情報を、充分「確認」してください。

 

もう1つは、「メトロ8号線」についての「追加情報」です。

 

「乗り換え駅」として、度々文中に登場している、「la Motte-Picquet Grenelle(ラ・モット・ピケ・グルネル)」駅の次の駅は、「Ecole Militaire(エコール・ミリテール)」駅となりますが、この2駅の間には、かつて、「Champ de Mars(シャン・ド・マルス)」駅がありました。この駅は、1937年の「パリ万博」の際は、会場(シャン・ド・マルス公園)の「最寄り駅」の1つでしたが、「第二次世界大戦」勃発にともなう「営業縮小」で、1939年9月2日に「休止」となり、そのまま「廃止」となったようです。

 

ホームは、「軍事学校」のすぐ「真下」にあり、「出入口」も、学校の「正面入口」の目の前にあったため、そのまま「閉鎖」となったようですが、この「出入口」に限っては、「保守点検用」として、施錠された上で、現在も存在するということです。

 

こちらの動画では、さすがに「廃駅」の様子までは分かりませんが、6分24秒頃に「ラ・モット・ピケ・グルネル」駅を出発してすぐ、「シャン・ド・マルス駅跡」を通過することが、「字幕」にて表示されています(6分53秒頃)。さらに、その「30秒後」には、次の「エコール・ミリテール」駅に到着していますから、駅間距離が「短かった」ということも、「廃止の理由」の1つとなったようです。

 

このように、現在、完全な「廃駅」となったものは「4駅」あり、他にも、使われなくなったり、他の用途に転用されたりしている「ホーム跡」を持つ駅もいくつかあります。また、「工事途中」で開業計画がとん挫した、いわゆる「幽霊駅」もあり、「Haxo(アクソ)」「Porte Molitor-Murat(ポルト・モリトール=ミュラ)」の2つが知られています。「ホーム」は存在するものの、地上への出口はありません...。

 

このように、「パリのメトロ」も、調べてみると、いろいろと「興味深い事実(トリビア)」が出て来ます。それだけ「歴史」も感じますね。

 

あともう1つ。

2008年の「第1回目」の旅行の時には、パリではほとんど見ることがなかった、「JCBカード」のあのロゴを、あちらこちらで見かけるようになりました。この当時は、多分、日本からの旅行客も「増えていた頃」だったんでしょうね(この「私」が行ったぐらいですから...)。

 

さて、かなり間が空いてしまいましたが、「本編」に戻りましょう。

 

6月19日土曜日、ヨーロッパで過ごす、初めての「週末」です。

 

本日は、「国境」を越え、隣国ベルギーの首都ブリュッセルへ向かいますが、「第1回目」の旅行記その10(昨年12月18日付け)にも書いたように、私はすっかり、メトロの「大ファン」となっていましたので、「行動予定表」にも、最初から、国際列車「Thalys(タリス)」の乗車駅である、「Gare du Nord=Paris-Nord(ガール・デュ・ノール=パリ北駅)」までの移動には、「メトロ利用」と書き込んでいます。

 

ブリュッセルへは、当然のことながら、この地の出身である、シャンソン界の、偉大な巨匠ジャック・ブレル(1929-78)の記念館、「editions Jacques Brel」のために赴きます。前回、「買物」の点で「大失敗」した(持っていたはずのクレジットカードが見当たらなかった!!)こともあり、また、そのおかげで、街中も、よく見て回ることが出来ないままに後にしたので、「今度こそは...」という気持ちで臨みました。

 

「editions Jacques Brel」も、やはり「ヨーロッパらしく」、日曜日には「休館」となりますので、今回の旅行では、行けるチャンスは、この「土曜日」ぐらいしかありません...。

 

ブリュッセルは、パリよりも気温が低く(この時も、パリの「22℃」に対して、「15℃」の予報でした)、国内で言っても、この時期の「北海道」で、いきなりの「低温」に震えるのと同じような感覚です。「前回の反省」もあって、この時は、「冬用」の、ダウンジャケットを着て行ったと思います。

 

「パリ北駅」の映像を3つ選んで載せてみました...。

 

ホテルの最寄り駅、「Charles Michels(シャルル・ミシェル)」から、メトロ10号線で「8駅目」の、「Odeon(オデオン)」駅で乗り換え、さらに、4号線で北上して、「10駅目」で、「Gare du Nord(北駅)」に到着です。途中、「Chatelet(シャトレ)」「Gare de l'Est(東駅)」という「大ターミナル駅」を経由する4号線は、「1号線」に並ぶ、「パリの大動脈」とも言えます。そして、「パリ北駅」は、ヨーロッパでも「最大」の乗降客数を誇る、「一大ターミナル」となります...。

 

「パリ北駅」には「チップトイレ」があり、「利用料」は確か、「50ユーロセント」でした。50セント硬貨があれば便利ですが、なくても、「お釣り」とか、「両替」で、何とかなったはずだと思います...。

 

パリからブリュッセルへの移動では、「シェンゲン協定」により、「出入国審査」はありません(現在の「社会情勢」では、見直されている可能性もあります)。この「シェンゲン協定」とは、加盟国内での「自由な往来」を保証するもので、1985年6月に、最初の「署名」が成されました(当時は「5ヶ国」。また、「シェンゲン」とは、協定が締結された場所である、ルクセンブルクの都市名です)。

 

とは言うものの、やはり、「身分証明書」として、パスポートは携行すべきでしょう。私たちは、「日本人」である時点で、「EU域外」からの旅行者には違いないのですから...。

 

「Thalys(タリス)」は、フランス、ベルギー両国鉄が出資した「別会社」による運行で、基本的に、「スト」はないと言われています。最高速度は、「時速300km」。パリとブリュッセル(312km, おおよそ、東京-名古屋、仙台、新潟に相当)を「約85分」で結び、北はアムステルダム、東はケルン(ドイツ)にまで足を延ばしています(「タリス」という名称は、どの国の人でも発音しやすいように、ということから名付けられたそうです)。

 

2015年11月の、パリでの「テロ事件」以降、乗車前に「保安検査」が実施されるようになったとのことですが、「安全のため」ですので、これは本当に仕方がありません...。

 

この当時(2010年)は、「全日空」のホームページから、「ホテル」や、「レンタルケータイ」の他に、「海外鉄道」(リンク先のページにて)の予約までも行なうことが可能でした。そのページでは、「直行便」の「タリス」だけではなく、途中の「Lille Europe(リール・ヨーロッパ)」駅経由の「乗継便」も選択できたりなど、いろいろと「楽しい面」もありましたが、「スト」でとん挫するのは「絶対にゴメン」なので、やはりここは、「手堅く」、往復とも、「タリス」を選択です。

 

列車は「堅く」、「タリス」を選びますが、「運賃(1等)」に関しては、前回の「普通運賃」(往復で「約5万円」!!)ではなく、「割引運賃」を選びました。

「制約」はありますが、価格としては、「常識的」です。もとより、「制約」のある「割引航空運賃」で、「安く」渡航するわけですから、ここだけ「普通運賃」というのも「おかしな話」です。

 

「券面金額」で言うと、前回の片道「128ユーロ」が、今回は、片道何と、「59ユーロ」!!(「半額以下」です!!)

日本円で「往復17,200円」(+手数料)というのは、当時のレートからすれば、少し「高め」な感じがしなくもありませんが、ちょっと「買い方」を工夫するだけで、これだけの「節約」にもなるのです!!

「東京-名古屋」間で、「のぞみ」のグリーン車を利用すれば、「片道約15,000円」ともなりますから、「前回の購入価格」からすると、完全に、「大逆転」なわけです。

これで、「同じレベル」のサービスが受けられるわけですから、たとえ「変更・払い戻し不可」であったとしても、購入する価値は「充分ある」、と思います。

 

というわけで、この日、6月19日土曜日は、パリ北駅10時25分発、「タリス 9423」(前回と、まったく「同じ」列車です...)で、ベルギーの首都、そして、「ジャック・ブレルの聖地」、ブリュッセルの「南駅」に向けて、いざ、「出発」です!!

 

こちらは、日本人旅行者による、「タリス」の「車窓」を記録した動画です(再掲)。「パリ北駅」から、「ブリュッセル南駅」を経て、ドイツの、「ケルン中央駅」までの乗車です。

 

こちらは、その「5倍速動画」。時間のない方は、こちらをどうぞ...(「疲れている方」はお控えください)。

この続きは、また「次回」、といたしましょう。

 

それではまた...。

 

(daniel-b=フランス専門)