「過去旅」について書いています。

第1回目のパリ&ブリュッセル(2008年)、今回は、その9回目です。前回(11月23日付け、「その8」)の後半から、パリでの、実質的な「2日目」(到着からは「3日目」)となる、10月8日水曜日に入っていますが、今日は、いよいよ、「ルーヴル美術館」を訪れる日です。

「ルーヴル美術館」...。当時の資料はいろいろと残ってはいるものの、憶えていないことも「多い」と思いますので、その点は、なにとぞご了承ください。

ホテルからもそれほど遠くはない、「RER(エル・ウー・エル=高速郊外鉄道) C線」の駅「Javel(ジャヴェル)」は、「ミラボー橋」のすぐそばにあります。「メトロ」の10号線とも接続していて、こちらの駅名は、「Javel/Andre Citroen(ジャヴェル/アンドレ・シトロエン)」となっています。この日は、「RER」線が、なぜか「止まって」いて、仕方なく、「いつもの」10号線に乗ったところ、降りるはずの駅を乗り過ごしてしまって、そのまま「終点」の、「Gare d'Austerlitz(オーステルリッツ駅)」まで行ってしまった、という話を、前回書きました。結局、「RER」は、「故障」のために止まっていたとのことでしたから、「メトロ」で、1つ前の「Jussieu(ジュシュー)」駅に戻り、7号線に乗り換えて、「ルーヴル美術館」の最寄り駅、「Palais royal Musee du Louvre(パレ・ロワイヤル・ミュゼ・デュ・ルーヴル)」まで、「直行」することにした、ということでした。

7号線は、途中、大ターミナル駅である「Chatelet(シャトレ)」駅を経由し、この後訪れる、パリ最大のデパート「Galeries Lafayette(ギャルリー・ラファイエット)」の最寄り駅、「Chaussee d'Antin-La Fayette(ショセ・ダンタン=ラ・ファイエット)」を通って、パリ郊外の、「La Courneuve 8 Mai 1945(ラ・クールヌーヴ)」駅へ向かう路線です(南側の起点は、途中で分岐し、2系統あります)。

「パレ・ロワイヤル・ミュゼ・デュ・ルーヴル」駅は、「1号線」にも駅があります。この1号線の隣の駅、「Louvre-Rivoli(ルーヴル=リヴォリ)」が、元は「ルーヴル」駅を名乗っていましたが、1989年、ルーヴル美術館地下の大改造で、「パレ・ロワイヤル」駅との間に連絡通路が新設されると、こちらの方が、美術館の「最寄り駅」となったため、両駅ともに「改称」されることとなったのです(「パレ・ロワイヤル・ミュゼ・デュ・ルーヴル」駅は、2011年には、年間で、955万人以上の利用があったということです)。

そういうわけで、「パレ・ロワイヤル・ミュゼ・デュ・ルーヴル」駅で降りると、そこはもう、美術館への「連絡地下通路」です。ショッピング街や、レストランなどもあり、美術館のメインエントランス「ナポレオン・ホール」へ直結しています。そして、ここが、地上にある、あの「ピラミッド」の「真下」に当たるわけです。メトロ駅からアクセスすれば、映画「ダ・ヴィンチ・コード」(2006)でも話題となった、「逆さピラミッド」も見ることが出来ます。

火曜日が休館日のため、水曜日に入館するときは、ある程度の「混雑」は覚悟しておかなくてはいけませんが、それでも、私の印象では、「スムーズ」に見ることが出来た方だと思います。

メトロで「遠回り」してしまったため、入場券購入時刻は、「11時47分」にもなっていました。予定より、かなりの「遅れ」です。入場料は、当時は9ユーロでしたが(「特別展」込みで、13ユーロ)、現在では15ユーロとなっています(券売機は、クレジットカードのみ使用可能です)。
また、ルーヴル美術館においても、昨年11月のテロ事件を受けて、セキュリティ・チェックが厳しくなっているようです。これから行かれる方は、情報を充分確認していただきたいと思います。

私は、当時の「ブルーガイド」(実業之日本社刊)に掲載の、「2時間プラン」を参考に、「無理はしない」(「行動予定表」に明記)ということで、見学を始めることにしました(すべてを見ようと思うと、3~5日はかかると言われています)。

その「2時間プラン」とは、北側「リシュリュー翼」の「ハムラビ法典」から、東側「シュリー翼」の「ミロのヴィーナス」。2階に上がって、南側「ドノン翼」にある「モナ・リザ」と「サモトラケのニケ」、シュリー翼の「書記座像」。3階に上がって、シュリー翼の「大工の聖ヨセフ」から、リシュリュー翼の「ガブリエル・デストレとその妹」と「レースを編む女」。
この後、「ナポレオン・ホール」へ戻るという、大変、「理」にかなった、効率の良いまわり方です。

内部は、予想した通り、とても「広大」な空間です。それでも、せっかく来たのですから、上記の2時間プランの「まんま」では味気なさ過ぎます。ですから、実際には、「プラスアルファ」がありますが、私の悪いクセで、訪れたブロックは、なるべく全部見ようとしたため、後半は、やっぱり疲れてしまいました。

「モナ・リザ」や「サモトラケのニケ」など、その「実物」を見ることができた「感激」は、筆舌に尽くしがたいものがあります。しかし、それら「有名作品」の前には、当然、「人だかり」が出来ていますから、私は、あの言葉をついつい思い出してしまうのです。

「スリには充分お気を付けください!!」

「常設展」に限っては、撮影もOK(フラッシュは禁止)と、日本に比べると、ずいぶんと「緩い」規則だとは思いますが、それゆえ、「隙」が出た際に、「スリ」に狙われやすいのも確かです。
もとより私は、「写真はヘタ」なので、カメラは持って行きませんけどね...。

ここ「ルーヴル美術館」でも、やはり「課外授業」で訪れる学生・生徒さんが多いようで、これは、日本での光景と、あまり変わりません。
また、1階か、半地階の、あまり人の多くないエリア(多分「ドノン翼」です。入館して間もない頃でした)では、近くにいた「男性同士のカップル」が、とても「良い雰囲気」になっていました。
こういうところにも、「お国柄」を感じます。

本当に、こんな程度しか書けないのが申し訳ないのですが、とにかく、「ルーヴル美術館」は「広すぎる!!」と感じました。機会があれば再訪したいですが、その「印象」を大切に残しておきたいのであれば、やはり、「欲張り過ぎは良くないな...」とも思いました。

この日は、外へ出て、自宅へ連絡を入れたのが、日本時間の22時22分ちょうど(現地15時22分)から4分23秒でした。ですから、館内には、それでも、3時間半近くいたことになります。
目の前の「カルーセル広場」では、「2階建てバス」も、何台か目にしたように思います。

さて、この後は、ショッピングです。11月9日付けの「その6」にも書いたように、一番の「メイン」でもあった、「初日」の購入分は、すべてが「水の泡」となってしまったのですが、何とか、この日の、「追加」購入分は生きています。
「ルーヴル美術館」を後にした私は、「パレ・ロワイヤル・ミュゼ・デュ・ルーヴル」駅に戻り、引き続き「7号線」で、「ギャルリー(ギャラリー)・ラファイエット」の最寄り駅、「ショセ・ダンタン=ラ・ファイエット」駅を目指します。

最初の予定では、14時には「ルーヴル美術館」を離れる予定でしたから、1時間半ほどの「遅れ」となってしまいましたが、目指す駅は、「3駅目」で、それほど遠くもありません。

先述のように、「ギャルリー(ギャラリー)・ラファイエット」は、1893年創業の、「パリ最大のデパート」です。当時は、本館地階に、書籍・CD売り場がありました(2010年の2回目の旅行の時には、地上階へ移動しており、「円建て」の購入も可能となっていましたが、この売り場は、現在では、もう、ないようです)。

こちらでは、3点、29.70ユーロの買い物にとどまりましたが(会計時刻は、16時23分です)、施錠されたガラスのショーケースの中には、垂涎の的の「高額商品」の数々が...。
そして、何と、そこに、あの幻のCD-BOX、「Boite a Bonbons(ボンボンボックス)」(11月9日付け、「その6」参照)もあるではないですか!!

「60,000セット限定」で「ナンバー入り」...。ジャック・ブレル(1929-78)の、「熱狂的」ファンとしては、これを見逃す手は絶対にないのですが、でも、いかんせん、「輸送上」、「金銭上」の問題が...(「180ユーロ」以上のシロモノです...)。

これを買ってしまえば、ブレルの全アルバムが、限定の「デジパック・デラックス(紙ジャケ)」で「コンプリート」できてしまうのですが、昨日、フナックで「273.78ユーロ」も使ってしまった以上、今回は....「断念」せざるを得ませんでした...。

しかし、このように、「国宝級」(大げさ?)の扱いで置かれているのを見ると、改めて「フランスの誇り」というものを感じます。彼らは、決して「過去のスター」ではなく、現在でも、フランス語圏を代表する「大スター」なのです(ブレルは、ベルギー出身です。そして、この翌日9日が、没後30周年の「命日」でした)。

この後は、メトロ9号線で、「フランクラン・デ・ローズヴェルト」駅(5駅目)へ直行します。
「行動予定表」を見ても、「フナックで、買い物の最終チェック」とあります。この日は、実際、フナックへも立ち寄りましたが、昨日の買い物については「信用」しきっていましたので、特別なことは何もしませんでした。それよりも、隣の「ヴァージン・メガストア」で、5点、71ユーロの買い物となったのですが(会計時刻18時20分です)、昨日気になっていた、「日本のアニメ」に関しては、結局、「見送り」ということになりました...。

最後に立ち寄った「モノプリ」での時刻は、19時34分...。この日は、「la roue de la fortune(運命のルーレット)」(10月10日付け、「その3」参照)は、見れなかったかも知れません...。

今回採り上げたシャンソンは、「j'ai deux amours "2つの愛"」(1930)です。迷いに迷いましたが、私の、今年の「スローガン」として、何回か記事に挙げたことと、「ルーヴル美術館」もその舞台の1つとなった、2010年の映画「アデル/ファラオと復活の秘薬」(憶えている方は少ないかも知れませんが...)の挿入歌としても使われたことから、この曲にしてみました。
映画「恋するシャンソン」(1997)でも、冒頭のシーンで使われましたから、こちらで憶えている方もけっこういらっしゃるのではないでしょうか。

歌っているのは、アメリカ出身の女性歌手ジョセフィン・ベーカー(1906-75)です。フランス読みでは、「ジョゼフィーヌ・バケール」で、こちらの呼び方も、多く聞かれます。

「愛するものは2つ。私の故郷とパリ」と歌われるこの曲は、アメリカ出身のベーカーにピッタリの曲です。元は、「うごめくパリ」(1930)という「レヴュー」のために作られた曲ですが、彼女がそのステージで歌って大成功を収めて以来、すっかり、彼女の「トレードマーク」となりました。

次回は、いよいよ、「国境」を越えて、ベルギーの首都ブリュッセルへと向かいます。
ジャック・ブレルの「命日」に、ついに、「彼の故郷」を目指すことになるのです...。

それではまた次回に...。

(daniel-b=フランス専門)