「東京残酷警察」の監督で、数々の傑作・迷作の特殊メイクアップを担当した鬼才・西村喜廣の最新作
「ヘルドライバー」
を観ました。
西村喜廣はもちろん、井口昇、千葉誠治、坂口拓、そして園子温らが所属し、海外市場をターゲットに立ち上げられた逆輸入日本映画軍団スシタイフーン・レーベルの作品。このブログでも取り上げた「冷たい熱帯魚 」「電人ザボーガー 」なんかもこのレーベルですね。とにかくアクション・コメディ・バイオレンス・ホラーとB級要素満載のエンターテインメント映画…ただし普通の日本向け映画としては作れないような過激な描写もバンバン描けるのが特徴。そういうエクストリームな日本映画が海外で受けているんですね。
さてこの「ヘルドライバー」、まぁハッキリ言って
大傑作
です!
2XXX年、夕張。主人公キカ(原裕美子)は、クレイジーで凶悪な母親リッカ(しいなえいひ)とその弟ヤスシ(岸建太朗)に父親を殺され(包丁でチョップミートにして食っちゃう…)、更に自らの心臓も奪われてしまった(手づかみでちぎり取られる!)。だがその瞬間に“ある事件”(ちょっと3・11を連想させるのですが、この作品が出来上がったのは3・11以前ですので誤解なきよう!)が起こり、人間は感染者=ゾンビとなり、日本列島は元人間たるゾンビと、生き残った人間とが、壁で分断された状態となる。
キカは、謎の組織によってモーターで動くチェーンソー付きの人工心臓を埋め込まれ生き残った。対ゾンビ用人間兵器として…
その後、壁の向こう側に忍び込み、ドラッグの材料となるゾンビの触角(この映画に出てくるゾンビは夕張だけにw?メロンのヘタみたいな触角をつけたビジュアルです)を狩って組織に売って金を貯めているタク(柳ユーレイ)と孤児で口をきけない名無し(久住みず希)と出会い、行動を共にするようになる。
壁で分断された人間側の世界では、感染者は人間であるから殺してはならない、共存しようという総理大臣(鳥肌実)と、それに反対する法務大臣(ガダルカナル・タカ)が対立していた。街角では、ゾンビと共存しようと訴える神父さん(津田寛治)なんかもいたりして。
だが、あるきっかけで壁に穴が開き、総理は哀れゾンビに食われてしまい、法務大臣タカが総理となる。
そして、ゾンビの元となる女王ゾンビ(これがリッカ)は夕張にいることを突き止め、そこにキカや罪人を送り込み女王ゾンビをやっつけるという法案を通す(GOGO夕張法…もちろんキルビルから取ってますねw)。
結局キカ、タク、名無し+2名がゾンビ側の世界に送り込まれる…!
すると、無数の飛来物がビュンビュン飛んできて…
よく見ると
ぜんぶゾンビの頭!
この映画に出てくるゾンビは基本的に何されても死にません。唯一、触角(ちょっとショック与えるとすぐ爆発)取り除かない限りね…
だから、バット持った太っちょゾンビが、他のゾンビたちの頭をバットでボコンボコン吹っ飛ばして、襲ってきたわけですw
それを救ってくれたのが、カウボーイ風のカイト(波岡一喜)。彼らは一緒に行動することに。
まずは、行方不明の名無しの姉(早乙女ルイ)探し。カイトが言うには、いるとしたらゾンビ酒場ではないか…と。
ゾンビ酒場?
そこは、ヤスシを中心に統率されたゾンビたちが、生き残った人間たちを狩り、食糧とする凄まじい世界だった!
ここの、乱歩的な?ホラー的な雰囲気のゾンビ酒場の描写もホント素晴らしい。
姉は、確かに捕らわれていた。
だが、救おうと向かっている間に、
ヤスシに指を噛みちぎられ、更には乳首をも食いちぎられ、血しぶきをあげていた。。。
ここで繰り広げられる、
石井輝男監督の「恐怖奇形人間」みたいなゾンビたちとの死闘
そしてヤスシ、花魁ゾンビ(穂花!)らとの
壮絶なカーアクション
は凄すぎ!ゾンビを組み立てて車を作るとかねw
そして、一行はついに女王リッカの元へ辿り着く…
果たして、キカはリッカに復讐を果たし、自らの心臓を取り戻すことができるのか!?
序盤ギャグ、ケレンにあまり入り込めず、そして過激な血しぶき描写に、
スプラッターってあんまり好きじゃないんだよな…
と完全に引き気味で観ていた団子太郎。映像も最初は妙に安っぽそうに見えたりもしてたのですが、
観ているうちに
だんだんその
迫力、ペース、圧倒的なエネルギー
に引き込まれ、
最初はイヤだった
ケレン味、見栄
にも痺れてきて…
最後はもう、
興奮と感動
に包まれてましたw
キャストもみんな素晴らしい
です。
リッカ役のしいなえいひはとにかく最高!
もうなんか、諸悪の根源みたいなヒドイ奴で、観てて本気で怖くなります…。ゾンビになったときのビジュアルも一番気味悪いし怖いし、そしてカッコイイ。
あと、ゾンビ酒場で、花魁風の姿をした
穂花様が出てきた瞬間
も素晴らしかった。ビジュアルもアクションも最高で、ホント作品選びを間違いませんね~彼女は!
更には
柳ユーレイ、波岡一喜、斎藤工に
亜紗美様まで登場!
鳥肌実とガダルカナル・タカが総理大臣役で出てくるしw
まさに(ある意味)
オールスター!
そして主人公の
原裕美子。
棒読みっぽいセリフ回しや、現実味のない顔(失礼。いい意味で、です!美形の方ですし)が、この映画の世界観にピッタリはまって素晴らしいです!
「ブレードランナー」とかいろんな映画へのオマージュ(?)もあるし、
スピード感と迫力に溢れるアクション、ゾンビ酒場の雰囲気、ゾンビ溢れる世界と壁の向こう側の人間世界という設定…その全てを取り巻く異様なエネルギー、そしてやっぱり
特殊メーキャップその他造形の素晴らしさ!
とにかくサービス精神満点の、
コッテリ満足・お腹いっぱいになる傑作
です!
えー…
好き嫌いは別れるかもしれませんがw
「東京残酷警察」もすぐに観ねば!