夜8時。

長靴はいてこどもをおんぶ。


ふたりでうたう童謡『ほたるこい』。

ここにいるかな。

あそこにいるかな。


「いた!」

と思ったら月明かりが田んぼの水面に写って光ってた。


でもね、大丈夫。

いるよ。


だってここの水はあまいから。


田んぼの上をすー・・・。すー・・・。

稲の陰で、ほわっ・・・。ほわっ・・・。

ちいさくてもきれいな光を放つほたる。


「いたね~」

「きれいだね~」


背中がだんだん暑くなってきた。

そろそろうちに帰ろうか。

おてても熱くなってきたね。


「おうち帰ってねましょ」



「もっとみたい」

「またこんどね」


こどもの気持ちを察したのか

1匹のほたるがすーっと飛んできた。

気持ちが通じたんだね。



優しい光が背中を押してくれた。



ありがとう。

またくるね。