2010年5月16日(日)
昨日と同じく0600過ぎから皆さんは起床…だったようだが、自分には朝が訪れなかったようだ。
0720頃、目覚めがやってきた。猛烈な頭痛と、飲み過ぎたときに感じる喉の渇きが疲れ果てた自分の身体にムチを打つ。
ルームメイトの眼差しが、心なしか生暖かい。どうやら自分は酔いつぶれて撃沈したらしい。人様にご迷惑をお掛けしていないかだけが心掛かりだったが、どうやら自爆で済んだみたいだ。
あわてて身支度をするが、何故かメガネが見当たらない。どこに放置してきたのか?若干気がかりだったが集合時間の0800ということで、朝食のためにカフェに向かう。
何と朝食に米らしきモノが出ているではないか!結構和食っぽい雰囲気だ。しかし、ナイフとフォークを持ってはみたが、どうやっても食欲が湧いてこない。食卓の会話は自分の撃沈ネタばかり。皆さんには良いオカズ担ったと思うが、結局自分はほとんど食べることができなかった。
滝川のN理事長と千歳のM君からは「JCの『もったいない』の精神に反していて、プライドを感じられない」といわれてしまった。仕方ないか。
友好の家に戻り、昨日の記憶をたどりながらメガネを探すが見当たらない。頭を整理しているうちに集合時間。今日も0900から元気に市内の視察だ。
本日最初の視察先はサハリン州立の測候所。これまで天気に恵まれてきた今回の訪問だが、今朝はかなり寒い。聞くと気温は3℃とのこと。この地で1946年から稼働している施設でかなりくたびれた印象だ。
ここでは気温や風速といった天気に関する測定はもちろん、海の潮位や津波の測定も行っているそうだ。
0935からは、ユジノクリリスク裁判所を視察。2007年に建設されたばかりの近代的な建物だ。
中に入ると、早速法廷に案内される。見た目は日本の法廷とほとんど同じ感じだが、大きく異なるのが被告人席。なんとオリが組まれていてアクリル板が貼られている。ロシア人の犯罪者はそんなに凶悪なんだろうか?
説明の中で、裁判所の視察はビザなし訪問では初めてとのこと。今回訪問が実現したのは、ここの裁判官が昨年ビザなし交流で日本を訪問した経験から今回の視察が実現したとのこと。普段はロシア人でもパスポートなしには入場できない体制を引いているそうだ。
ここでもビザなし訪問の実施による交流促進の効果が見られたとは感じたが、同時に、国後島にこういった司法施設が整備されるということは、それだけロシアによる司法権が確立してきていることの裏返しでもあると感じたのは自分だけであろうか?
ここで一旦友好の家に帰り、トイレタイムとなる。再びメガネを探すが相変わらず行方不明。少々不安になってきた自分は、通訳を通して管理人のおばちゃんにメガネの捜索願を出す。
次の訪問先は30分の移動時間が予定されているから遠出のようだ。昨日から付いてくるロシアTV局の取材チームを引き連れ友好の家を出て数分、島のメインロードをやや走ったところで車は停車。
ロシア人墓地のある区画に、キレイに掃除された日本人墓地があった。昨日の東沸墓地よりも多くの墓石が残されている。ここでも団員ひとりひとりがお線香を上げて供養をする。島の中でも本当に数少ない、日本人が暮らしていたことを感じることができる場所だ。だがロシア側から見るとこの墓参の風景は「絵になる」のだろうか、取材チームがかなりのローアングルからカメラを回して取材をしているのが印象的だった。
車はダート道を快調に進み、山あいを縦断し島の北岸へと向かう。海岸線が見えてくると同時に、日本でもよく見られるような農村風景がぽつりぽつりと現れてきた。これがダーチャと呼ばれる農地つきの別荘だ。
よーく見ると建物の右には「かかし」も立っている。(ロシア語ではチュチュアと呼ぶそうだ)
このダーチャとは1991年のソ連崩壊後、それまで配給制だった野菜の配給が滞ったことによって、ここ国後島で始まったシステムだそうだ。普段はマチに住む人たちが別荘を兼ねてこれらの土地に作物を植えているそうだ。電気や水道といったインフラは全くと言って整備されていない地域だが、強者になると、ここに住んでマチに仕事に出る人もいるとか。
まだ春先ということで、キレイに耕された畑にはあまり作物が植えられていなかったが、いも・にんじん・ねぎといった作物がよく植えられる他、温室を持つ人はとまと・きゅうり・なすといった野菜の他、いちごや花を育てる人もいるそうだ。
ここ数年の原油マネーによる経済好況で、仕事をメインとしたために耕作地を放棄した人も多かったそうだが、昨年来の不況下で再びダーチャが脚光を浴びているとか。どこの国も同じようなことを繰り返しているのね。
ここからは本当に羅臼が近い。この日はガスがかった天気だったため、はっきりと知床半島を見ることができなかったが、天気の良い夜には、対岸(…といってもいい位近いらしい)の羅臼の街並みが放つ光をはっきりと見ることができるそうだ。
羅臼からほど近いということで、ここでも日本の携帯電波を拾えるようだ。AUとドコモはOKだったが、相変わらずソフトバンクはNG。これまで電波を拾っていたロシアのMegaFonもここでは厳しい状況。周りの団員が携帯を使えている脇で自分だけが電波難民。
大自然の中で気持ちよい風を浴びることで、だいぶん二日酔いからも解放されてきた。片言の英語で近寄ってロシアの取材スタッフをこっちから逆取材。一体自分たちはどのように報道されるのか?ちょっと気がかりでもある。
こうしてダーチャの視察も終わり。帰り道で見かけたこの山は「眠れる美女」と呼ばれているそうな。確かに、右側の山が頭、左側に重なっている山が胸、髪の長い女性が横たわっているように見えないこともない。
その後車は一気に山道を上がっていく。登り切って開けてきたと思ったら、
高台の広い敷地に色々な施設が見える。どうやら軍の施設のようだ。ダート道を走りながらだったのでよく見分けることはできなかったがあ、まり人っ気もなく、軍用車両や兵器も見かけることはなかった。あとで聞いたところでは軍の施設らしいが、以前より組織が縮小されているらしいが真相はイマイチ不明のまま。
まあ、ビザなし訪問の日本人が眼にしても問題のないレベルなんだろう。本当にヤバかったら通行禁止だろうから。
こうして午前中の視察が終わり一旦友好の家に戻る。みんながトイレタイムの間に自分は再びメガネ捜索。管理人に問いあわせても掃除の段階ではメガネは発見できなかったとのこと。っとなるとあとクサいのはトイレのみ。しかしどのトイレでリバースしたのかを覚えていないので男性用個室をくまなく調べるが、あいにく使用中が2部屋。
釈然としないまま昼食タイム。
何と、今回の滞在で初めての麺モノ。スープパスタのようなものだったが、体調不良の自分には食べやすかったこともあり完食。思ったよりも早い二日酔いからの復活に一安心。めでたし。
再度友好の家に戻り、若干の休憩タイム。メガネを求め残り2室の個室の調査に入るが、あと1部屋がなぜかいつも使用中で調査不能。慣れない土地での3日目ということもあり、男性用個室の回転率は高いのだ。(以下続く…)










