突然、名前も知らず、能力もわからないまま、高校サッカー部の監督を頼まれたとしたら……。そんなテーマで書いてみたのが「ナタリーの初陣」です。
交換留学生として来日経験のあった女性が、ホストファミリーの訃報に接して来日してみると、彼がサッカー部の監督を務めていた高校が、生徒の減少で経営難となり、部の存続さえ危ぶまれる状態になっていました。選手権大会で好成績を収めれば、合併相手の学校法人も考えを変えるかもしれないというのです。留学生時代の同級生は、アメリカでサッカー指導者をめざして勉強中のナタリーの力を生かせば、チームを勝たせることができるのではないかと監督を依頼していきます。
しかし、経営難などは、サッカー部の生徒には何の関係ありません。結果はどうあれ、試合で力を出し切れば、それでいいと思うナタリーでしたが、改めて考えてみると、自分は恩人のためにわずか2時間(試合時間)を費やすこともできないと言ってるのと同じだと気づきます。
そこで、ナタリーは監督を引き受けるのですが、選手の特徴を知らないということは、フォーメーションも変えられないということです。たとえ変えたところで、それをすぐに理解して、実行に移すことなど到底できません。
しかも、相手は、県大会で常にベスト4に名を連ねるような強豪校。ボールコントロール、スピード、スタミナ、戦術理解度のすべての点で勝っています。
さて、ナタリーはいったいどのような手を打っていくでしょうか……。

