前回のブログで、

改正電子帳簿保存法において

スキャナ保存を行うにあたっては、

「スキャニング時の解像度である

25.4ミリメートル当たり200ドット以上」の

要件を満たす必要があることを説明しました。

 

そして、この要件を満たす基準として、

A4サイズをスキャンする場合は、

約387万画素以上が必要であり、

それ以外のサイズに関しては、

書類のサイズに応じて、

解像度を確認する必要があると説明しました。

 

今回は、解像度について、

具体的にどうすれば

改正電子帳簿保存法の要求を

満たせるかを説明します。

 

結論から言ってしますと、

スキャナ保存にあたっての

解像度については、

それほど神経質になる必要はありません。

 

そもそも、

「電子帳簿保存法一問一答

【スキャナ保存関係】」で

記載されているQ&Aの

書き方が不親切なのです。

 

確かに、厳密性を担保するにあたっては、

国税庁として

「A4サイズ以外については、

書類の大きさと画素数を基に

解像度の要件を満たしているか

その都度確認する必要がある」

と言わざるを得ないでしょう。

 

しかし、実際には、

書類の大きさによって、

その都度解像度を

確認する必要などないのです。

 

その理由は、

解像度の算出式から証明できます。

 

A4サイズに関しては、

約387万画素数以上あれば

要件を満たしていると、

国税庁は明記しています。

そして、その根拠を

次のように解説しています。

 

「A4サイズの大きさの書類を例にとると、

A4サイズの紙の大きさは、

縦297㎜、横210㎜であり、

1インチは25.4㎜です。

このA4サイズの紙の大きさは、

インチ換算すると、

縦約11.69インチ、

横約8.27インチになります。

これを画素に換算すると、

縦11.69インチ×200ドット=2,338画素、

横8.27インチ×200ドット=1,654画素、

そして、総画素を算出すると

2,338画素×1,654画素=3,867,052画素

になります。」

 

この解説を額面どおり読んでしまうと、

A4サイズ以外に関しては、

その都度、縦横の長さを測って、

そしてそれをインチ換算した上で

200ドットを掛けて、

総画素数を計算する必要が

あるように感じてしまいます。

 

しかし、その必要はないのです。

 

この式が示しているのは、

書類のサイズが大きくなればなるほど、

総画素数は多くなるということです。

 

逆に言えば、A4サイズより

小さい書類の総画素数は、

A4サイズより小さくなります。

 

従って、約387万画素以上の

スキャナ等でA4サイズ以下の書類を

スキャンする限りにおいて、

改正電子帳簿保存法が求める要件は

満たしていることになるわけです。

 

問題は、

A4サイズより大きい書類の場合ですが、

会計実務において

A3を超える書類は、

ほぼありません。

 

従って、A3サイズを

一番大きいサイズとみなして、

A3サイズに必要な総画素数を

計算すればいいわけです。

 

A3サイズの寸法は、

縦420mm、横297mmです。

 

これをインチ換算すると、

縦約16.54インチ、

横約11.69インチです。

 

その結果、縦の画素数は、

16.54×200=3,308画素数となり、

横の画素数は、

11.69×200=2,338画素数

となります。

 

最終的に、総画素数は、

3,308画素数×2,338画素数

=7,734,104画素数

となります。

 

要は、A3サイズをスキャンする場合、

780万画素数以上あれば、

改正電子帳簿保存法の要件を

満たすことになります。

 

そして、A3サイズを780万画素以上で

スキャンできれば、

必然的にA3サイズ以下についても、

改正電子帳簿保存法における要件を

満たすことになります。

 

このように、

改正電子帳簿保存法において

スキャナ保存する場合、

780万画素以上で

保存できるかが

目安になってきます。